視聴行動分析サービスを提供するニールセンは、ソーシャルネットワークサービス(SNS)の最新の利用動向を発表した。それによると、ニールセンが独自に分類する「ソーシャルネットワーク」カテゴリ全体では2014年4月にスマートフォンからの利用者数がPCを逆転。その後も、順調に利用者数を伸ばし、12月時点ではスマートフォンからのSNS利用者は4243万人に達した。これはスマートフォンからのインターネット利用者のうちの92%が利用する規模。利用率は2014年を通して90%を超えた。
今回の発表は、ニールセンのスマートフォン視聴率情報Nielsen Mobile NetView(ニールセン・モバイル・ネットビュー)とPC版インターネット視聴率情報Nielsen NetView(ニールセン・ネットビュー)のデータをもとに算出したもの。2014年12月時点での主要サービスの利用者数をみると、すべてのサービスにおいてスマートフォンからの利用者数とPCからの利用者数の間に大きな差があり、SNSはスマートフォンを中心として利用された。PCで最も利用者数が多いのはFacebookで約1500万人。PCからのインターネット利用人口全体の29%を占めた。次に多いのがTwitterで約910万人、利用率18%。
一方、スマートフォンではLINEとFacebookの利用者数がそれぞれ3400万人前後となり、スマートフォンからのインターネット利用人口のうち70%以上が利用していることが分かった。その後に続くのが、Twitter (利用者数約2900万人、利用率62%)、Google+(利用者数約1100万人利用率24%)、Instagram (利用者数約620万人、利用率14%)。Instagramは2014年12月時点での利用者数が1月の2.6倍となり、主要サービスの中では最も増加率が高かったSNSとなった。
次に、スマートフォンからの利用率が10%を超えている5つのサービスについて性年代別の利用状況をみると、男女別では各サービスとも女性の利用率が男性の利用率よりも高く、特にLINEでは16ポイントの差が出た。
年代別では、20代以下ではLINEが最もよく利用され、次いでTwitter、Facebook。いずれも利用率は80%を超えた。50代以降で最も利用されているのはFacebook。各サービスとも年齢が高くなるにつれ利用率が下がる傾向にあるが、Google+では50代の利用率が最も高い結果となった。Facebookは60代以上でも60%超の利用率があり、全年代で一定数の利用があることがわかる。また、Twitterは20代以下と30代の間でも20ポイントもの差があり、若年層が特に活発に利用している。
ニールセン・エグゼクティブアナリストの中村義哉氏は、「ここ数年はLINE、Facebook、Twitterに大きな注目が集まり、企業も消費者とのコミュニケーション手段の一つとして積極的に活用してきた。これらのサービスが当たり前のものとして定着してきている現在、各企業はターゲットとする消費者に対し効率的にアプローチができているかを検証するため、改めて各サービスの詳細な利用動向を把握することが重要。また、今年はInstagramのように新たにサービスの利用者が増加する兆しがあるなかで、定番化している既存サービスの利用者層がどのように変化するのか定期的な確認も必要となる」と分析している。
(トラベルボイス編集部)