メキシコへの日本人渡航者数の推移が堅調だ。日系企業のビジネス・法人の渡航需要の高まりを受けて、2014年は前年比約10%増の10万7000人、2015年は1~4月の前年同期比12%で推移している。メキシコ観光局駐日代表(写真)のギジェルモ・エギアルテ氏は「2015年も2ケタ増を維持できるだろう」と予測。日本人出国者数がマイナスの傾向の中、2010年以降プラスの推移を続けていることから、底堅い需要を感じているようだ。
こうした堅調な需要の中、このほどアエロメヒコ航空(AM)が旅行業界向けセミナーを実施。そこで登壇したメキシコ大使館カルロス・フェルナンド・アルマーダ・ロペス駐日大使(写真右)は、「両国間の友好関係が高い水準にある」と評価。近年進む日系自動車産業の進出だけでなく他産業の進出も活発なことを明かした。また、ビジネスだけでなくレジャーでも満足度が高く、今後もビジネス・レジャーともに友好関係が深まることに期待した。
アエロメヒコ航空日本支社長の加藤欣弥氏(写真右)もビジネス需要が強いことを実感しているという。同社は2013年10月からB787型機を日本線に投入。2014年4月からは日本/メキシコシティ間を週4便に増便しているが、ビジネスクラスの需要も高く、順調な販売推移をみせている。セミナーでは、加藤氏は快適性の高いB787型機でメキシコ国内の数多くの都市に同日着ができる直行便を旅行者に提案することが顧客利益につながることを旅行会社スタッフにアピールした。
同社営業課長の川野正晴氏(写真右)は、特に企業の需要でグアナファト州近郊の日系企業の状況について説明。自動車産業では、マツダ、ホンダ、日産の工場がすでに稼働、2018年にはトヨタが新工場の稼働を始める計画があり、「注目のエリアとなっている。(川野氏)」。グアナファトに企業が進出する理由としては、交通の要所として北米・南米につながる陸路も東西に港にもアクセスが容易で、世界中に生産した商品の輸送を移送する利便性の高さを挙げた。
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川野氏は、「業務渡航で日本人がたくさん行くようになると、レジャーの機会が増えていく」として、業務・レジャーともに将来的にも伸びしろが高いことを強調。これに呼応して、同社スケジュールでメキシコシティ/カンクン線やキューバ(ハバナ)線が日本発着便との接続時間を利便性の高いものにしていく予定であることを紹介した。また、日本の地方都市から成田を経由する際や、メキシコ国内の地方都市発着の旅程を組む際は効率的に組むことができることをアピールした。
(トラベルボイス編集部:山岡薫)