博報堂の「インバウンド・マーケティング・ラボ」は、東アジア4地域(中国・韓国・台湾・香港)からの訪日旅行者の消費行動調査を実施し、中国人旅行者の分析結果を発表した。調査期間は2015年3月11日~19日で、直近3か月内に日本渡航および日本での購買経験を有する人が対象。春節期間の訪日旅行経験者を含む調査となっている。
これによると、訪日中に購入する商品は、回答者の計73.4%が訪日旅行前に決定。そのうち46.5%は、実際に訪日旅行を検討する前から決めている。購入した商品購入経験が今回が初めてというのは4割弱で、普段から使用するものを購入する傾向が強い。
購入決定で重視する点でも、「安全・安心」(54.2%)、「コストパフォーマンスが良い」(47.9%)、「価格がリーズナブル」(46.5%)の方が、「日本お土産の定番」(31.7%)、「Made in Japanである」(25.1%)、「母国では買えない」(18.8%)より高い。ジャパンプレミアムよりも、質の高い製品を安く購入できることが重要であることがうかがえる。
商品カテゴリー別にみても、ほとんどが訪日前に購入決定を済ませているが、特に「カメラ・時計」は約9割、「介護・ベビー用品」は約8割と高い。
ただし、トイレタリー(計47.3%)、ファッション製品(計44.7%)は、訪日した後に決定している人が約半数。また、日本コンテンツ関連グッズは訪日前からの購入決定者が多いものの、「訪日中の店頭で買うことを決めた」が28.1%で、店頭での影響を受けて購入決定する傾向も見られた。
購入決定に影響する情報では、検索エンジン(36.1%)、「天猫(ECモール)」(29.9%)、「自国の親族・知人」(27.7%)、「百度旅遊(旅行情報サイト)」(20.1%)が上位。日本限定のメディアより、一般生活者が訪日観光中に買い物をした経験を踏まえたコメントを重視している。特に検索エンジンでは旅行情報サイト内のコンテンツページの閲覧が多く、個人の書き込み記事をチェックしている。
これに加え、訪日中に影響する情報では「店頭スタッフ」(20.7%)、「店頭のPOP」(16.2%)、「Japan-i(無料ガイドブック)」(14.1%)も上位に上がってくる。
なお、訪日中の消費額は20~40万円が最多。また、購入する商品の用途は約7割が自分用、約4割が土産用で、特に女性は78.0%が自分用の買物を楽しんでいるという。