エクスペディアが名古屋支店を開設、カプセルホテルや旅館など増強で東海エリア予約を3倍に

エクスペディアが名古屋支店を開設、10月から本格稼働を発表した。これは、東海地方全域における今後のインバウンド成長を見込んだ展開で、外資系のOTA(オンライン・トラベル・エージェント)として、はじめて名古屋に本格進出することになるもの。

同社は今回の支店開設に伴い、2015年上期(1月~9月)の予約件数にもとづくインバウド状況も発表した。その分析結果では、東海地方全体では186%、名古屋だけでも前年比183%の高い伸び率となったという。

さらに同社は、東海地方を拠点とする理由を以下の3点で説明する。

  1. 中部国際空港におけるエアラインの就航
  2. 「日本の中心」というアクセスの良さ
  3. 「宿泊単価」の低さと成長余地のある「稼働率」

たとえばエアラインの面では、エアアジア・ジャパンやジェットスターが中部国際空港を拠点とする就航を強化することに着目し、LCC国際線を利用した訪日旅行者の増加を見込む。

また、名古屋はJR6社が提供する「ジャパンレールパス」を利用したアクセスしやすさがあるうえ、中部・北陸地域を対象とする「昇龍道プロジェクト」が訪日旅行者の人気を集めていることも挙げる。

加えて、名古屋エリアでは東京や大阪と比較して宿泊施設の単価が低く、稼働率の面でも余力があることなどから、総合的に今後の成長を見込めると判断した。

同社発表による主要都市における訪日旅行者比率の結果をみても、韓国、香港、タイ、台湾からの訪問客が札幌で72%、福岡で83%となっている一方、名古屋ではまだ60%であることが、"のびしろの大きさ"を示唆しているという。

エクスペディア:報道資料より

こういった状況を背景に、同社は具体的な目標を「2016年の名古屋における予約件数を前年比2倍」「東海地方における予約件数は3倍」と設定した。この目標に向けた施策として、名古屋では「ホテル」ではなくカプセルホテルや旅館、ゲストハウスなどを増強。同時に、下呂、高山、奥飛騨、静岡、沼津、伊豆・熱海を中心とした東海各エリアの新規施設獲得も積極化していく考えとしている。

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