GW期間の総旅行者数は0.3%増2395万人、海外旅行はハワイ9%増、豪州10%増 -JTB予測

JTBは、今年のゴールデンウィーク期間(2016年4月25日〜5月5日)の旅行動向の見通しをまとめた。この調査は、1200 人から回答を得た旅行動向アンケート、JTB グループの販売状況、航空会社の予約状況、業界動向などから推計したもので、1969年に調査を開始して以来、今年で48回目になる。対象となるのは1泊以上の旅行に出かける人。

それによると、節約傾向はあるものの、今回の旅行動向アンケートによると旅行意欲は昨年並みで、日並びもよいことから、国内旅行、海外旅行ともに昨年より増加する見込み、総旅行人数は前年比0.3%増の2,395万6,000人になる見通し。そのうち、国内旅行人数は同0.2%増の2341万人、海外旅行人数は同2.8%増の546,000人を見込む。

出発日のピークについては、旅行会社の予約状況によると、国内旅行は4月29日、5月3日の宿泊が多く、海外旅行は、アジア、グアム・サイパンなど近距離方面では4月29 日、5月3日、米国本土、ヨーロッパ、オーストラリアなどの遠距離方面とハワイは4月29日と4月30日の出発がピークとなっている。

平均費用については、国内旅行が同1.7%減の35,200円、海外旅行が同1.5%減の259,000円と推計。国内旅行では景気に多少足踏み感が出てきていること、海外旅行では、近距離方面の旅行の増加や燃油サーチャージの値下げがそれぞれ平均費用の減少につながっていると推測している。旅行動向アンケートでも、「支出をふやしたい」が15.0%と前年より1.7ポイント減少し、「支出を減らしたい」が27.1%と0.9ポイント増加している。

海外旅行では、国際情勢の影響もあり、欧州は同9.8%減となる見込み。定期的に海外旅行に行く層は地域を選んで海外旅行に行く傾向も見られ、昨年より旅行人数が伸びる方面は、遠距離方面では、オーストラリア・ニュージーランド、短距離方面では中国・台湾・シンガポールなどのアジアが伸びている。比較的治安もよくファミリーや3世代で楽しめるハワイの人気も底堅く、座席供給量が増えている北米、カナダも堅調。

2016年GW(4/25~5/5発)の海外旅行人数推計は以下のとおり。

JTB発表資料

国内旅行では、関東、近畿、東北、甲信越への旅行を予定しているという回答が多い結果となった。また、東北の桜、開業15周年の東京ディズニーシー、4月29日にオープンする京都鉄道博物館、15周年を迎えたユニバーサル・スタジオ・ジャパンが人気。真田幸村ゆかりの甲信越地域も伸びているほか、「上田城」をはじめ、昨年改修が終了した「姫路城」や天空の城として人気の「竹田城」など「城」の人気も高まっている。

旅行日数については、「1泊2日」が46.7%(同6.2ポイント増)と最多で、昨年よりも短期間の旅行が増加すると予測。また、利用交通機関については、ガソリンの値下げの影響で「乗用車」が71.3%(同2.8ポイント増)と伸び率が高く、「長距離バス」も6.1%(同1.1ポイント増)となり、節約志向が見られる。

JTB 総合研究所が実施した「国内旅行についての考え方」の調査によると、「泊まってみたい宿泊施設が増え、以前より国内旅行に行きたくなった」が36.0%と高く、「乗ってみたい観光列車や新幹線などが増え、以前より国内旅行に行きたくなった」が26.2%で続いた。また、「国際情勢が悪化し、治安が不安なので、海外旅行より国内旅行へ行きたくなった (16.5%)」、「外国からの旅行者で混雑しそうなところは避けるようになった (15.3%)」、「外国からの旅行者が増え、雰囲気が悪くなったところは避けるようになった (12.7%)」など、昨今の旅行市場の変化を反映した回答が上位に入った。

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