東京都はこのほど、「東京都観光産業振興アクションプログラム2017(素案)」を発表した。市場の変化に対応できる中長期的な観光産業振興策として、これまでの取り組みに加えて新たな視点を追加。年度内に最終版の策定を目指すもの。
今回まとめられた素案では、新たな取り組みの視点として(1)観光の一大産業化、(2)将来を見据えた新たな観光資源の開発、(3)魅力の発信と効果的な誘致活動、(4)受入環境の充実、の4項目を設定。これまでおこなってきた、外国人旅行者やMICE誘致のためのプロモーション、外国人向けの受け入れ環境整備などにとどまらず、世界的な視野でみた「観光都市としての東京」を強く意識した内容となっている。
具体的な取り組みの方向性としては、例えば「消費拡大に向けた観光経営」として、外国人観光客の期待と課題を分析したうえで、効果的なICT技術の導入や人材育成、宿泊設備に対するサポート強化を提示。同時に、「集客力が高く良質な観光資源の開発」としては、東京ならではの「水辺」の利や「祭り」を活かした新たな観光資源創出や夜間観光資源との連携などが盛り込まれた。ほかにも「東京ブランドの発信と観光プロモーションの新たな展開」「MICE誘致の新たな展開」「外国人旅行者の受入環境の向上」「日本各地と連携した観光振興」などの分野から、課題と方向性が掲げられている。
今後、11月頃に予定されている「中間まとめ」では、新たな目標項目や目標値なども盛り込まれる予定となっている。