JTB総合研究所が実施した調査で、中国人の海外旅行の頻度は「年1回程度」(44.1%)。次いで「年2回程度」(22.2%)、「年3回以上」(7.3%)となり、「年2回以上」の海外旅行をおこなう割合は約3割に。「年2回以上」とする割合を地域別にみると、成都、重慶、長沙など内陸部居住者のほうが、上海、北京、広州などの沿岸部居住者よりもやや多い結果となった(沿岸部28.0%、内陸部31%)。
旅行形態をみると、最も多いのは「団体型パッケージツアー」(42.5%)。次いで「フリープラン型パッケージツアー」(30.7%)、「個人旅行」(23.6%)の順。予約方法では、「オンラインからの予約(PC、スマートフォン、アプリ経由を含む)」(74.5%)が大多数を占めたほか、「旅行会社などの店舗・店頭で予約」(22.5%)、電話(2.4%)となった。
海外旅行の予約方法に関する回答は以下のとおり。
海外旅行先の選定時に重視することでは、最多が「美味しいものが食べられるか」(全体56.7%)。次いで、「初めて見たり体験したりするものがあるか」(全体55.5%)、「世界遺産や歴史文化遺産など歴史的価値のあるものがあるか」(全体50.2%)。「ノービザ、またはビザが取得しやすいかどうか」(全体34.1%)という回答を含め、全体的に上海、北京、広州などの沿岸部に住む中国人のほうが「こだわり」が強い傾向が明らかになっている。
なお、SNS利用に関する考えでは、「SNSの投稿を見て行ってみたいと思った場所に出かけた」(全体43.5%、沿岸部48.0%、内陸部39.0%)、「SNSで知った情報でいいと思ったものを購入した」(全体38.6%、沿岸部40.4%、内陸部36.8%)が多い。SNSが行動に与える影響では、上海、北京、広州などの沿岸部に住む中国人のほうが大きい傾向がみられたほか、「SNSで話が盛り上がってメンバーを募り、旅行やレジャーに出かけた」割合は地域を問わず約35%が該当。引き続き、交流や移動のきっかけとしてのSNSの存在が大きい様子がうかがえる。
この調査は、中国人男女1969名に対するスクリーニング調査を経て、3年以内に日本旅行を計画している1000名を抽出して実施したもの。対象とする居住地は、沿岸部(上海、北京、広州、深圳、福州、大連、瀋陽)と内陸部(成都、重慶、長沙、西安、合肥、鄭州)。世帯年収は12万元(約240万円)以上。調査期間は2016年9月9日から14日まで。