AP通信発:米国のクリスマス・年末商戦の出足が好調だ。年末セールの実質的な始まりとなる感謝際(11月第4木曜日)と、その翌日「ブラックフライデー」2日間のセールで、売上額合計は、前年同期比9%増だったと決済情報会社、ファースト・データ(FD)社が発表した。売上げ増のけん引役となったのは、オンライン・ショッピングだ。
FDによると、今年の2日間のeコマース売上は、前年同期比10.8%増。リアルの店舗における売上は同8.6%増だった。同社では、合計100万店ほどのオンライン販売店とリアル店舗で、同期間に決済された各種カード取引を分析。同データには、米国内でのカード決済取引の約40%が反映されているという。現金での支払い分は含まれていない。
店舗での感謝祭セールは、以前より開始時期が早くなっているが、今年はこの傾向がさらに加速。中には10月からセールを開始する店もあったという。かつてはブラックフライデーが米国における年末セール初日という位置づけだったが、感謝祭の当日からセールを始める小売店も、今やめずらしくない。感謝祭の週末の特別感が、昔より薄れつつあるとの見方もあるが、やはりこの時期ならではの風物詩となっている。
FDのリッシー・シャブラ情報解析担当・副社長は「今年の消費動向は力強いものだった。全般的に、オンラインで買い物する人が増えており、この傾向は、今後、もっと強まるだろう」と指摘する。
同社によると、今年は2日間の消費全体のうち、約25%がeコマースだった。昨年同期のeコマース比率は18%、2014年は約16%。また商品の品目別では、圧倒的に電子情報機器や関連商品の人気が高く、売上高は前年同期比26.5%増。昨年の同品目の伸び率はわずか2.3%だった。
調査対象の全7品目のうち、家具やパーソナルケア商品など4品目では、オンライ販売での伸び率が店舗を上回ったが、電子機器は、少なくとも同2日間を見る限り、店舗に出向いて買うことが好まれる傾向が明らかになった。電子機器・関連商品の店舗での売上高は、同28%増のプラスだったが、オンラインでは11%をわずかに上回る程度の伸びにとどまった。
同2日間の1人当たり平均消費額は、昨年の72.84ドルを超え、今年は75.06ドル。また電子機器関連については、同34%増・163.76ドルとなった。
激しい値下げ合戦が繰り広げられた「服飾・アクセサリー」の品目では、1人平均消費額は80.55ドルとなり、昨年の81.63ドルから下落。さらに下げ幅が大きかったのは「スポーツ用品、趣味、書籍、音楽」で、今年の平均消費額は78.74ドル(昨年は90.15ドル)だった。
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