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観光庁は、訪日外国人消費動向調査で2016年1月~12月の年間値速報を発表した。それによると、2016年1年間での訪日外国人の消費総額は前年比7.8%増の3兆7476億円。過去最高を記録した昨年をさらに上回る結果となった。一方で一人当たりの旅行消費額は、前年の17万6168円から11.5%減の15万5896円(推計値)。
2016年は訪日外国人数の伸び(21.8%増の2403万9000人)と比較すると、旅行消費額の増加率は3分の1程度にとどまる結果となっている。
旅行消費額と訪日外国人旅行者数の推移は以下のとおり。
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国籍・地域別では、中国の旅行消費総額が1兆4754億円で全体の39.4%を占めた。次いで消費額が多いのは台湾の5245億円で構成比14.0%、韓国が3578億円で同9.5%。中国は、金額では昨年の1兆4174億円を上回るが、構成比は昨年の40.8%よりも若干縮小した。
一人当たりの旅行支出が最も多いのはオーストラリアの24万7000円で前年比6.7%増。次いで、中国の23万2000円、スペインの22万4000円。中国の一人当たり旅行支出は前年比18.4%減となり、調査対象の全地域のうち減少幅が最大となっている。
一人当たりの費目別旅行支出は以下のとおり。
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費目別にみると、2016年は「買い物代」が1兆4261億円(構成比38.1%)、「宿泊料」が1兆140億円(同27.1%)、「飲食費」が7574億円(同20.2%)と続く。昨年は買い物代が前年比倍増を記録したがその伸びが鈍化。全体構成比でも4割以上を占めていたがその割合もやや縮小した。その一方で、宿泊料金や飲食費、交通費が増加している。
費目別・旅行消費額の構成比の前年比較は以下のとおり。
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なお、2016年は旅行消費額が高い5市場(中国、台湾、韓国、香港、米国)において円高が進行。現地通貨ベースで1人あたり旅行支出をみると、中国以外は前年比増に。USドルベースでは0.8%減(日本円ベースでは11.5%減)に留まるとしている。