ファッションビルのパルコは、外国人の買物客に対する接客サービスを目的に、クラウドを活用した映像通訳サービス「クラウド通訳」のトライアルを開始した。
パルコでは、訪日外国人の集客への取り組みを強化してきた。SNSや訪日外国人の利用の多いウェブサイトへの情報発信から海外商業施設との協業や海外旅行博の出店など、海外ネットワークを活用したプロモーション施策、免税ショップの拡大や訪日外国人向けWi-Fiなど店舗サービスなどを展開した。
これにより、2016年には各ビルにおける海外発行のクレジットカードの売上高が、渋谷が前年比12.6%増、札幌が64.6%増、池袋が35.0%増、福岡が31.5%増と大幅に増加。このうち、渋谷と札幌では売上高に占めるシェアがそれぞれ11.7%・11.0%と、2ケタに拡大した。
こうした状況を受け、今回のトライアルを実施するもの。導入するのは札幌パルコのB2階インフォメーションカウンターと1Fの2店舗で、対応言語は英語と中国語(北京語)、韓国語の3言語。該当店舗に外国人客が来店した際に、ショップに設置している専用端末で通訳者を呼び出し、外国人客とスタッフ、通訳者の3者で通話する。従来の電話通訳と異なり、翻訳者の顔が見えることで、一歩進んだ接客サービスが提供できると期待している。