ターボプロップ航空機メーカーの大手・ATRは東京で記者会見を開催し、最新機材ATR型機について、日本の航空会社が導入するメリットをアピールした。ATR最高経営責任者(CEO)クリスチャン・シェーラー氏が来日した。
ATR-600型機はリージョナル航空機市場で最先端機材として、世界で700機近くを受注。50席クラスのATR42-600と、72席以上のATR72-600の2タイプあり、座席幅はターボプロップ機で最も広い18インチ。飛行中にキャビン内の雰囲気を変えるLEDライトを設置するほか、頭上の荷物棚は広く、3分の2の乗客がトロリーケースを収納できる特徴がある。
また、機内の快適性の評価が高く、特に巡航高度がジェット機の1万メートル超に対して6100メートルと低いため、快適な客室気圧環境も提供可能。巡航高度の低さは、搭乗者が飛行中の風景をより楽しめるメリットにもなるとする。
日本には現在、100機以上のリージョナル航空機があるが、そのうち50機は平均機齢が10年を超えるターボプロップ機。ATRはこれに対し、順次機材の刷新やアップグレードが必要になることを指摘した。
また、日本が2020年に向けて外客誘致を強める中、燃費効率が良く、環境に優しいターボプロップ機を使用した新規ルートの開拓機会も期待できるとアピール。CEOのクリスチャン・シェーラー氏は、ATR-600型機の運航の多様性や経済性、従来とは異なる空の旅体験に触れながら、「地方コミュニティ同士を結び付ける重要な役割を担っている」と強調した。