観光庁はこのほど、2017年9月の主要旅行業者50社の旅行取扱状況速報を発表した。それによると、総取扱額は前年比1.3%増の4999億9189万円。そのうち、海外旅行は4.3%増の1900億4929万円、外国人旅行は14.8%増の174億2119万円、国内旅行は1.3%減の2925億2140万円だった。
分野別・上位5社の直近12ヶ月の推移
2017年9月までの海外旅行取扱額上位5社・直近12ヵ月推移比較グラフは以下のとおり。2017年9月は上位5社(JTBグループ25社、H.I.S.グループ5社、阪急交通社グループ3社、KNT-CTグループ8社、日本旅行)のうち阪急交通社と日本旅行が約7%増の伸び。取扱額はいずれも8月よりも減少したが、JTBグループは500億円超で引き続き強さを見せた。
外国人による訪日旅行の旅行会社別取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。9月は上位5社(JTBグループ25社、日本旅行、H.I.S.グループ5社、KNT-CTグループ8社、楽天)のうち、HISが55.5%増で大きな伸び。そのほかKNT-CTが46.2%増、楽天が28.6%増と好調だった。
国内旅行の旅行会社別取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。9月は上位5社(JTBグループ25社、楽天、KNT-CTグループ8社、日本旅行、ANAセールス)のうち、引き続き楽天以外の4社は前年比マイナス推移に。楽天は6.7%増で引き続き2位の座を維持している。
旅行商品ブランド全体の取り扱い状況
2017年9月の旅行商品ブランド(募集型企画旅行)は、総取扱額が前年比2.0%減の1287億6541万円、取扱人数合計は3.7%減の327万9903人。海外旅行は取扱額が4.4%増の413億2678万円、取扱人数が8.4%増の21万5522人。外国人旅行は取扱額が0.4%増の5億4991万円、取扱人数は7.6%増の3万6692人。国内旅行は取扱額が4.8%減の868億8873万円、取扱人数が4.6%減の302万7689人。9月は海外旅行と外国人旅行で人数に対して取扱額の伸びが小さく、引き続き単価の減少傾向がうかがい知れる結果となっている。
方面別の全体傾向
旅行会社へのヒアリングによれば、海外旅行は8月に引き続きハワイを中心に好調。外国人旅行は、前年比増加幅が大きい韓国や中国に加え、欧州と豪州からの旅行者が好調。国内旅行は、関西方面が比較的好調だった一方、3連休にかけて台風があった影響などで総売上額は微減となった。
※同統計では、2016年9月までは主要旅行業者50社、2016年10月から2017年3月までは49社、2017年4月以降は再度50社を対象に集計をしている。
また、2017年4月以降、JTBグループの集計値を15社合計から25社合計に変更したほか、びゅうトラベルサービス、エスティーエートラベル、テック航空サービス、ニッコウトラベルを新たに追加。2017年以降にJTBグループの集計値に加わった10社は、JTBワールドバケーションズ、JTBビジネストラベルソリューションズ、PTS、JTB沖縄、JTB京阪トラベル、エイ・ビー・アイ、JTBメディアリテーリング、JTBグランドツアー&サービス、朝日旅行、トラベルプラザインターナショナル。
なお、「外国人旅行」は日本の旅行会社によるインバウンド旅行を指している。