全日空(ANA)はこのほど、中期経営戦略のひとつに掲げた「ユニバーサルなサービス」強化計画を発表した。文化や言語、年齢、性別、障がいの有無などに関わらずすべての顧客に安心・快適なサービスを提供することを目指すもの。
航空予約をおこなう「タビマエ」から、空港・ラウンジ・搭乗・機内といった「タビナカ」までのさまざまなシーンについて、施設やサービスを充実。例えば、ANAウェブサイトでは、2020年3月までにアクセシビリティ向上や予約システムの改善を実施。ANAマイレージクラブ会員を対象に、からだが不自由な顧客の情報を集約し、ストレスなく安心して飛行機を利用できる環境づくりにつなげる。
空港では、すでに導入済みの樹脂製車椅子やフルリクライニング車椅子、歩行車などの配備徹底に加え、2018年秋から搭乗手続きカウンターに、2019年秋から受付エリアにローカウンターを設置することで、車いす利用者の利便性向上を図る。
機内では、移動や回転がしやすく座り心地がいい新タイプの車椅子を2018年5月から順次導入。A320neoやA321型機など単通路小型ジェット機材にも、車椅子で利用可能な化粧室を標準装備する。
そのほか、修学旅行でANAを利用する特別支援学校向けの「搭乗支援プログラム」、発達障がいがある子供向けの「体験搭乗プログラム」など、社外向けセミナーも体系化。全社員を対象とするユニバーサルサービスeラーニング、障がいのある講師を招聘する「心のバリアフリーセミナー」といった社内教育も充実していく。