リクルートライフスタイルが宿泊施設向けの「じゃらんフォーラム2018(東京会場)」を開催した。今年、宿泊施設に対して打ち出している3つの新施策や業況について改めて説明。約470の宿泊施設から700名が集まり、同社が打ち出した新施策に耳を傾けた。
冒頭のあいさつにたった代表取締役社長の淺野健氏は全社として業務・経営支援サービスに注力している点を強調。同社では、この数年で旅行・美容・飲食の分野の経営支援で融資などを行う金融サービス、採用や教育面での人材サービス、データ分析などでの経営サポートなどで各種サービスを発表している。業種を問わず提供している決済サービス「AirPAY」では、2016年から2017年で利用が15倍という急成長をみせており、淺野氏は「これを観光でも使えないか」と検討を深めていることを明かした。
また、来年1月からは宿泊施設向けの教育支援で新たな取り組みも発表。接客シーンを動画で学習できるパートナーズラーニングを開始するという。淺野氏は、こうした教務・経営支援サービスの拡充で「もともと集客支援であったが業務・経営支援と広げながら市場を拡大させたい」と意気込みを見せた。
同社執行役員・旅行領域担当の宮本賢一郎氏は、こうした全社の動きとあわせて旅行分野では宿泊施設と地域との連携を深めていくことで「360°トラベルパートナー」として観光振興を行いたいとする新コンセプトを発表した。
2017年取扱高は8731億円、法人・訪日も堅調
宮本氏は、じゃらんnetの2017年度の国内宿泊予約流通取扱高も発表。2017年は、伸びは2%にとどまったものの前年の8558億円から8731億円に増加した。
分野別では、航空券と宿泊の組み合わせツアー(ダイナミックパッケージ)の「じゃらんパック」は直近の5年間で約3倍に。法人の出張をあつかう「じゃらんコーポレートサービス」の契約法人は1万2000社(前年は7500社)を超え、3年連続で宿泊予約数が前年比140%増と好調だった。
訪日旅行の分野では、エージェントサービスを契約する海外の旅行会社数が合計600社(前年350社)を超え、宿泊人泊数は前年比で3倍に伸びた。
なお、同社では2018年中にポイント増加キャンペーンに着手する。これは、同社が発表した新施策のうち、会員ランク導入に向けて行うもの。会員の総旅行回数増加を目指し、高頻度のユーザーには5%(通常ポイント2%+じゃらん限定ポイント3%)を付与する。