国土交通省はこのほど、主要空港における大規模自然災害対策について中間とりまとめをおこなった。2018年9月に発生した台風21号や北海道胆振東部地震では空港が被災・機能停止し、国民に大きな影響を与えたことを受け、専門委員会を設置して検討を重ねていたもの。
委員会では、大規模な災害が発生した場合も日本の航空ネットワークが維持できるよう、対策や基本的な方向性などを検討。基本認識として、自然災害の多発化や被害の激甚化、電力依存度の増大、空港運営方式の多様化などを踏まえたうえで、主要空港の機能確保に向けた対策が必要であるとした。
対策の方針としては、(1)自然災害に対する適応力強化、(2)災害時に備えた空港運営体制の構築、(2)適切なリスク管理、(4)非常時のサービス提供のあり方の抜本的改善、(5)非常時における強力なアクセス交通マネジメント体制の確立、(6)インフラとしての機能の保持、(7)電力の確保、の7点を軸に設定。例えば、複合的災害や連続的災害も想定した適応力をつけるほか、現場力が発揮できる体制と組織の強化を重視。また、非常時でも円滑に空港旅客を移動できる管理体制の構築も進める。
また、緊急に着手すべき課題も設定。空港全体の維持・普及を目的とした事業継続計画(BCP)の再構築に加え、電源施設など水密性の確保と移設、護岸のかさ上げ、排水施設の整備、滑走路の液状化対策などを優先して進める考えだ。