東京商工リサーチは、空港ターミナルビルの経営会社54社を対象にした「空港ターミナルビル経営動向調査」の結果を発表した。対象各社の2017年度(2018年3月期)決算を集計したもの。
これによると、54社の売上高の合計は3157億2895万円。このうち、新千歳空港ターミナルビルを除く前年度と比較が可能な53社の合計は前年比9.4%増の2671億7620万円で、増収企業が8割を占めた。LCCの増加や訪日外国人旅客の増加で、対象年度の乗降客数が国内線で4.0%増、国際線で11.1%増と増えたことを受け、売上が伸びたという。
売上高を空港別でみると、1位は日本空港ビルデング(羽田)が9.7%増の1761億万円で、2位の新千歳空港ターミナルビルディング(485億)の3.6倍となるダントツの結果に。また、上位10位のうち、九州・沖縄の空港ビルが6社ランクインした。伸び率では、米子空港ビルが22.2%増で1位。国際便の増加で乗降客数の増加とともに、海外航空会社の施設使用料収入の増加や物品販売が寄与したという。
経常利益も、同期の経常損益が判明した50社中、新千歳空港ターミナルビルを除く前年度と比較が可能な49社の合計は14.2%増の1433万円となり、増加傾向。48社が黒字決算となった。経常利益でも空港別の1位は日本空港ビルデングが12.0%増の87億6900万円で、2位の那覇空港ビルディング(19.4%増の42億8491万円)に2倍の差をつけた。
ただし、那覇空港は経常利益率が41.3%で1位。経常利益率では、8社が20%以上、約6割が10%に達した。自己資本比率でも、80%台、90%台がそれぞれ15社で、50%以上が8割を占めた。空港ビル会社の安定した収益力の高さがうかがえる。