「観光予報」活用コンテスト2019、大賞は白馬村観光局、複数データの分析で独自の推計モデルを構築 ―日本観光振興協会

日本観光振興協会はこのほど、「観光予報プラットフォーム活用コンテスト2019」の審査結果を発表した。2019年は、白馬村観光局が大賞(地域部門)を受賞したほか、部門賞(学生部門)は首都大学東京の自然文化ツーリズムコース4年有志が獲得。同じく学生部門で、神奈川県横須賀市の三浦学苑高等学校が特別賞を受賞した。応募数は、地域部門2件、事業者部門2件、学生部門3件の合計7件だった。

「観光予報プラットフォーム」では、国内宿泊データのうち1億2200万泊以上のサンプリングデータをもとに、宿泊者数実績や予測データを算出。都道府県や市町村を対象に、宿泊実績データと現在から6か月先までの予約状況などのほか、多言語で観光事業に有効なデータを提供している。

今年で3回目となるコンテストは、観光予報データの活用事例を観光関係者に周知・啓発し、地域活性化を支援する目的で開催するもの。地域部門、事業者部門、学生部門の3分野の応募案件について、「先駆性」「生産性」「持続性」「発展性」「社会性」の観点から審査をおこなう。

2019年に大賞を受賞した白馬観光局の取り組みは、「観光予報プラットフォームデータ+気象データ+地域固有データのミックスによる地域固有の特性を反映された精度の高い宿泊需要予測の仕組みづくり」。観光予報プラットフォームの宿泊実績データに加え、地域固有のデータや気象データを収集してデータを分析。宿泊需要に対して影響度の高いデータを抽出し、さらにAI機能も付加した宿泊者数の推計モデル構築をおこなった。

部門賞を獲得した首都大学東京の学生有志は、市単位・日別で宿泊客数を取得し、自然災害が観光産業に与えた影響を分析。観光地への風評被害の早期払拭を目的とする効果的な復興キャンペーン提案に向けた示唆としてまとめた。

三浦学苑高等学校は、経済産業省が進める「未来の教育」プロジェクトのJTB実証事業に参画し、ビッグデータを活用した観光教育に取り組んだ。学生自らがテーマを設定して観光予報プラットフォームでデータの抽出・分析・活用を実施したほか、アプリを使用して経済効果も算出。次世代の人材育成につながる取り組みとして認められた。

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