LCCのジェットスター・グループは、フライト検索エンジンを提供するDohopの技術を活用し、タイガーエア台湾とインターライン契約を締結した。インターライン契約とは、複数の航空会社にまたがる航空券を一括購入できるようになるもの。乗り継ぎや受託手荷物の扱いで利便性が高まることにより。両社はアジア太平洋での路線網が拡充させていく方針だ。また、これにあわせて、ジェットスターは新たに同社ウェブサイト上に予約プラットフォーム「ジェットスター・コネクト」を開設した。
ジャットスター・ジャパン代表取締役社長の片岡優氏は発表記者会見で「日本と台湾は双方向で結びつきが強く、お互いの強みを補完し合うことで、相乗効果を上げることができる。カスタマー・エクスペリエンスの改善と合理化で運賃をさらに下げることも可能。お互いの旅客にとってメリットは大きい」と話し、タイガーエア台湾とのパートナーシップの意義を強調した。
今回のインターライン契約によって、ジェットスターのウェブサイトでは新たに72路線の予約が可能になり、マカオ、バンコク、高雄、セブなど新しく8つの就航地を加えることになる。また、1枚のチケットで最終目的地までのチェックインができ、荷物も最終目的地まで運ばれることから、両社間でシームレスな乗り継ぎも可能になる。
一方、タイガーエア台湾会長の張鴻鐘氏は、「ジェットスター・ジャパンの充実した国内線に接続することができる」と話し、日本でのネットワーク拡大を最大のメリットとして挙げた。
今回の提携はタイガーエア台湾とジェットスターグループとの協業。オーストラリアのジェットスターやシンガポールを本拠とするジェットスター・アジアともネットワーク構築されることから、アジア全体での相乗効果を期待する。
両社のインターライン契約をサポートするのはアイスランドの旅行テクノロジー企業のDohop。ヨーロッパのLCCを中心にインターラインソリューションを提供している。これまでにもイージージェット、ユーロウィング、トランサヴィア航空などで実績がある。アジアでの展開は今回が初めて。同社アジア太平洋ディレクターのフィリップ・ディエトリン氏は、イージージェットが過去2年間でエミレーツやキャセイパシフィックなどのフルサービスキャリアを含めて15社にパートナーシップを拡大させていることを例に挙げ、「ジェットスター、タイガーエア台湾ともさらにパートナーを増やしいけるだろう」との見通しを示した。
ただ、片岡氏は今後の展開について、「現時点では他の航空会社とのパートナーシップの話はない。タイガーエア台湾との連携で成功例をつくって、次のステップにつなげていきたい」と話すにとどめた。
ジェットスターが新たに立ち上げた「ジェットスター・コネクト」では、タイガーエア台湾とのシームレスな予約ができるほか、両社の異なるサービスの組み合わせや、それぞれのフライトの座席指定、機内食、追加荷物などのオプションを購入することも可能になる。
なお、エアアジアは先日、旅行テクノロジー企業のキウイ・ドットコム(Kiwi.com)と提携によって、自社オンライン・サイト「airasia.com」で自社だけでなく他航空会社のチケット予約の取り扱いを開始。「アジア太平洋での旅行とライフスタイルの総合プラットフォーム」化を目指すと表明している。