島根県の離島・海士町(あまちょう)が、デジタルを活用した「リモートトリップ」で、生産者と観光を組み合わせたアピールに乗り出している。ビデオ会議システム「Zoom」を通じて島のバーチャルツアーに案内するとともに、事前に届けた特産品などの食べ方をリアルタイムで島の人が指南。島の人との交流や参加者同士で盛り上がるよう促すなど、人とのつながりを感じる工夫を凝らす。
海士町観光協会の子会社で企画した島ファクトリーは、「リモートの時代だからこそ、距離の不利を乗り越え、落ち込む観光業、一次産業を支援したい」と意気込んでいる。
島根県沖の隠岐諸島のひとつ、海士町。例年、人口約2300人の島には年間3万人の旅行客が訪れるが、新型コロナウイルスで観光事業者は窮地に陥っている。そこで、島ファクトリーが新たな企画として取り組んだのが、自宅にいながらウェブ上で旅行気分を味わってもらう「リモートトリップ」と町の特産品のコラボ。ウェブ越しに参加者が岩牡蠣を堪能したツアーはこれまで3回実施し、全国から計62名が参加した。5月31日には第4弾として、海士町と宮城県気仙沼を同時にリモートトップする企画の開催を予定している。
開催は月2~3回の不定期。5月は海士町産の岩牡蠣、6月以降は町の特産品の食材とコラボしたツアー予定しており、定員20~30名で価格は5000円から1万円。リモートトリップを通じ、将来の観光客開拓にもつなげたい考え。