北マリアナ諸島から知事来日、スカイマークのサイパン線復活に期待、日本人旅行者の誘致へパスポート新規取得に特典も

北マリアナ諸島自治連邦区のアーノルド・パラシオス知事がこのほど来日し、サイパンなど北マリアナ諸島への日本人旅行者誘致に注力していく考えを示した。コロナ禍に入ってからスカイマークが運航を停止しているなか、2022年9月にユナイテッド航空が成田/サイパン線に週3便で就航。日本市場の復活が期待されているところだ。

パラシオス知事は「日本とサイパンは、歴史的、文化的、地政学的に重要な関係にある。日本市場の声に耳を傾け、業界とのパートナーシップを強めて、日本の旅行者にとってマリアナが海外旅行の第一候補になるようにしていきたい」と抱負を述べた。

そのうえで、「航空路線が最大の課題」と位置付け、ユナイテッド航空のデイリー運航化に期待を示したほか、スカイマークに運航再開を働きかけていく考えを示した。パラシオス知事は来日中、日本旅行業協会(JATA)や国土交通省など観光関連機関に加えて、スカイマークも訪問。「スカイマークとは現在も良好な関係は続いており、将来の復便にとても期待している」と述べた。

一方、航空会社への財政支援については、「(継続は)今後の経済状況次第」と話すにとどめた。

ユナイテッド航空は今夏、日本/グアム線を増便。グアム/サイパン線も毎日運航していることから、成田に加えて名古屋、関西、福岡からグアム経由でサイパンへの送客にも力を入れていく考え。

日本市場への期待を語るパラシオス知事

北マリアナ諸島への日本人旅行者数は1997年のピーグ時は年間45万人にのぼっていたが、2005年にJALが撤退。2018年には約4万人にまで落ち込んだ状況で、パンデミックに入った。マリアナ政府観光局としては、まずは5万人への復活を目指す。そのうえで、パラシオス知事は「来年は6万人にしていきたい」と意気込みを示した。

「さまざまな課題はあるが、米連邦政府の支援も活用しながら、短期的、長期的に観光への投資は続けていく」とパラシオス知事。そのひとつが、サイパンの中心ガラパン地区の再開発だ。今年5月には繁華街の「パセオ・デ・マリアナス」の工事が完了し、2024年4月には地区全体の再開発が完了する予定だという。

このほか、パラシオス知事はマリンスポーツや文化交流などの体験をフックとした若者層の誘致にも期待をかける。特にサステナビリティの観点から、ビーチクリーンなどの環境保護活動を含めた学校交流にも関心を示した。

政府観光局、子どものパスポート新規取得に特典

マリアナ政府観光局は、2023年もマーケティング施策「マリアナケーション」を継続する。旅行業界向けには、「ブッキングインセンティブ」を9月1日帰着分まで延長。サイパン直行便利用者への50ドルクーポンプレゼント、無料ゴルフ(1ラウンド)と無料ダイビング(2ダイブ)の特典提供も続ける。

また、新たにパスポート新規取得を後押しする施策を展開する。対象となるのは、サイパン直行便往復利用者で、新たにパスポートを取得し、最初の渡航先をサイパンとする12歳以下の子供。50ドルのクーポンを提供する。期間は2023年7月1日出発~9月1日帰着まで。

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