イタリア・ベネチア市議会は2023年9月5日、観光客の集中を緩和することを目的に、日帰り客を対象に5ユーロ(約800円)の入域料を徴収する案をまとめた。まず、2024年春と夏の週末に試験的に導入する。試験期間は計30日間になる見込み。この計画は9月12日の市議会で審議される。
同案は2019年に初めて議論されたが、新型コロナウイルスの影響で観光客が遠ざかったため延期され、その後、技術的および手続き上の理由で再度延期されていた。
入域料は14歳以上の日帰り旅行者に適用。ベネチアや周辺の島々に通勤する人、学生、同市を含むヴェネト地域の住民、地元の固定資産税を支払う人は免除される。ロイター通信は、徴収される入域料が制度の運営コストに当てられると報じている。
現在、ベネチアには市中心部の住民をはるかに上回る観光客が殺到。狭い路地を埋め尽くしている。AP通信によると、ベネチアの歴史的中心部の人口は1970年には約11万人だったが、昨年には5万人まで減少した。
また、ユネスコは今年7月、イタリアが気候変動や大量の観光客の影響からベネチアを守るために十分な努力をしていないとして、ベネチアとそのラグーンを危機遺産リストに追加するよう勧告した。
※ユーロ円換算は1ユーロ158円でトラベルボイス編集部が算出
※本記事は、ロイター通信およびAP通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。