米国富裕層はパリ五輪の期間にどこに行くのか? 近隣国で予約増加や様子見の傾向、高級ホテルの空室状況にも影響

写真:ロイター通信

米国の富裕層向け旅行会社は、パリ五輪期間中、フランスを避けて近隣の国を旅行先に選ぶ顧客が増えると見ている。2024年7月26日から8月11日までのパリ五輪の予約は、普通の旅行者によるものが多いと話す旅行会社もある。

スペインのバレンシアに拠点を置く航空券データ会社フォワード・キーズによると、5月下旬時点で、五輪期間中にパリに到着する旅行者の航空券が最も多く発行されているのは米国。米国からパリへの航空券は、2023年の同時期と比較して前年比37%増加する見込みだという。

富裕旅行者向けの観光事業者で構成されるコンソーシアムVirtuoso(ヴァーチュオソ)の広報担当ミスティ・ベルズ氏は「パリに行く人は確実にいるが、フランス全体では好調とは言えない」と明かす。今夏の同社のパリへの旅行予約は前年比で172%増加しているものの、フランス全体では同22%減。代わりに、スペインが同44%増、英国が同10%増となっているという。

マイアミの高級旅行コンシェルジュThe Prelude社は、オリンピックのチケットやパッケージに関する問い合わせは受けているが、予約はまだ入っていないと明かし、超富裕層はまだ先の計画を立てておらず、それがフォーシーズンズなど一流ホテルの空室状況に影響しているとの考えを示す。

アコーグループのセバスチャン・バザンCEOは、6月初旬にニューヨークで開かれた業界カンファレンスで、オリンピック期間中のホテル予約は「異常なものではない。(アコーグループでは)パリの稼働率は85%を維持しているが、オリンピックがなかった前年とそれほど変わらない」と話した。

商業用不動産データ会社CoStarによると、8月の高級ホテルの稼働率は前年比9.1%上がり、客室料金は73%上昇すると見込んでいる。一方、7月の稼働率は前年比で0.5%低くなると予想している。

※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳·編集しました。

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