米国で人気が続く高級ホテルの「日帰りパス」、地元住民や富裕層リモートワーカーから高需要

コロナ渦のあいだ、米国では社会的距離を保ちながら孤独を打破する方法を求めて、リゾート、スパ、ウォーターパーク、ホテルで日帰りパスを利用する地元の人たちが急速に増えた。その市場は、今でも高い需要があるようだ。

この日帰り利用は「三方よし」だ。地元の人たちは安価にリラックスでき、日帰り旅行者は宿泊を予約する必要がない。また、施設側は空いているスペースを活用することができる。

OTA「リゾートパス」では、サンディエゴの5つ星ホテル「フェアモント・グランド・デル・マール」からバハマのエルーセラ島にある小規模リゾートまで、27カ国約1600軒の宿泊施設の日帰りパスを取り扱っている。

リゾートパスCEOのマイケル ウルフ氏によると、ユーザーの大部分は地元の人たち。2016年に事業を開始して以降、日帰りバスの購入者は約300万人で、そのほとんどは過去2年に販売したものだという。ウルフ氏は「航空業界は、さまざまな部分で収益化に成功しているが、ホテル業界では、施設の有効活用が十分には進んでいない」と話す。

クルーズ客やリモートワーカーの間でも需要増

リゾートパスが提供する1日パスの約70%は65ドル(約9600円)以下。ユーザーには、地元の人だけでなく、クルーズ船から寄港地に上陸する乗客や、寄港地で休憩したいクルーズ船の従業員もいる。

1日パスには、プール、スパ、場合によってはフィットネスセンターが含まれる。また、追加料金を払えば、プールサイドのベッドやデイルームなどのオプションを利用することも可能。一部のパスでは、食べ物や飲み物が提供される。

富裕層向けの旅行会社でも、日帰りパスの需要が高まっている。宿泊費が高騰する中、ホテルが提供する豪華なサービスを楽しみながら仕事をしたいリモートワーカーなどの間で人気が高まっているという。

ウルフ氏によると、日帰りパスは、オフシーズンや平日だけ利用できるものばかりではなく、一部ホテルでは祝日や週末に限らず、6ヶ月から1年前から予約できる日帰りパスも提供しているという。

コンサルティング会社のMDAホスピタリティソリューションズの社長兼創設者であるメアリー・ダルジェニス・フェルナンデス氏は、日帰りバスはホテル側にとってのメリット大きいと話す。「例えば、ホテルは会議に出席する人でいっぱいかもしれないが、彼らがプールなどで過ごす可能性は低いだろう」と話した。

※ドル円換算は1ドル147円でトラへベルボイス編集部が算出

※本記事は、AP通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました

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