チェコ・プラハ、夜間のパブめぐりツアーが禁止に、騒音やゴミ問題が深刻化、文化観光促進の側面も

チェコの首都プラハでは、2024年11月から夜間のパブめぐりツアーが禁止される。パブめぐりは、観光客に人気のコンテンツだが、バーに収益をもたらす一方で、地域でのトラブルも増えていた。

プラハを訪れる観光客は、2023年には約700万人にのぼっている。歴史地区での観光客によるハブめぐりによって、夜間の騒音や路上に捨てられたゴミなどの問題が深刻化している。当局は、何年にもわたって、騒がしい酔っ払いへの対応を進めてきたが、ついに禁止令を施行することを決めた。

この禁止令は午後10時から午前6時まで施行され、違反したパブめぐりツアー主催者には最高10万コルナ(約65万円)の罰金を科せられる。

プラハでは、夜間の問題に対処するために、ナイトライフが住民に与える影響を最小限に抑える役目を担う市職員として、2019年にナイトメイヤー(夜の市長)を任命。しかし、問題は解決しなかった。

文化観光を促進する観光戦略の一環という側面も

この法案を起草した市議会議員のアダム・ザブランスキー氏は、「パブのオーナーが責任を負ってくれれば素晴らしいことだ。しかし、現状、繁華街の住民が悪影響に直面している一方で、パブめぐりに参加しているバーのオーナーは利益を上げることにしか関心がない」と嘆く。

今回の措置は、文化観光を促進し、長期滞在やリピーターを増やすというプラハ市の長期的観光戦略の一環でもある。

一方、パブめぐりを催行するツアー会社は、この禁止措置を「大衆迎合的なもの」と批判。「状況をさらに悪化させるだけ」と話すツアー会社もある。ガイドとツアー会社は、騒音などを抑制するために市や警察を手助けする存在としたうえで、「ガイドがいなくなれば、騒音問題はさらに悪くなる」と主張している。

チェコ観光局局長のフランティシェク・ライスミュラー氏は「チェコには、ビール醸造の長い歴史、ユニークな醸造所、体験型アトラクションなどビール観光で大きな可能性を秘めている。私たちは、おいしいビールを味わうだけでなく、ビールを通じてチェコの文化、伝統、歴史について学べる機会を提供していく」と話している。

※コルナ円換算は1コルナ6.5円でトラベルボイス編集部が算出

※本記事は、AP通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

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