アゼルバイジャンの首都バクーで開かれている第29回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP29)で、世界の観光産業をより環境に優しいものにするための行動宣言に50か国以上の政府が署名した。国連は、大きな成果であると評価している。
UNツーリズム(国連世界観光機関/UNWTO)のゾリツァ・ウロシェビッチ事務局長は記者会見で「COP29で、国連気候変動対策会議の行動アジェンダに初めて観光産業対策が盛り込まれるという歴史的な節目を達成した」と語った。
観光産業は世界の国内総生産(GDP)の3%を占め、温室効果ガス排出量の8.8%を占めているという。今回の「観光における気候変動対策強化に関するバクー宣言」に署名した国は、国が決定する貢献(NDC)などの気候変動対策を策定する際に、観光分野に配慮する必要性を認識することが求められる。
観光産業は、特に新興国では政府の外貨収入の大きな割合を占めることが多く、ハリケーン、熱波、干ばつなどの気象現象の影響を大きく受ける。
ホテル業界の国際団体「ワールド・サステナブル・ホスピタリティ・アライアンス」も、今回の宣言採択に際し、産業全体の温室効果ガス排出、水消費、廃棄物、エネルギー使用などのデータを測定・報告するための取り組みを提示した。
※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。