J.D. パワージャパンは、「J.D. パワー 2024年ホテル会員プログラム顧客満足度調査」の結果を発表した。5年ぶりの実施となった調査では調査内容を大幅にリニューアルし、世界6地域(北米、南米、アジア、オセアニア、欧州、アフリカ)のすべてで展開している「グローバルブランド部門」と日本国内が中心の「国内系ブランド部門」に分けて調査を実施した。
満足度の測定にあたっては、「会員特典」「ポイント制度」「会員サイト/アプリ」「ホテルからの各種提供情報」の4つのファクターを設定し、各ファクターの総合満足度に対する影響度をもとに、総合満足度スコアを算出した。
その結果、グローバルブランド部門平均が662ポイント(1000ポイント満点)、国内系ブランド部門平均が656ポイントと、大きな差は見られなかった。各ファクターの満足度を見ると、「会員特典」が29%と最も大きく、続いて「ポイント制度」が25%、「会員サイト/アプリ」が24%、「ホテルからの各種提供情報」が21%。
加入理由はグローバルと国内で違い
会員プログラムの加入理由は、グローバルブランドと国内系ブランドで異なる傾向が表れた。
グローバルブランドでは「無料宿泊特典や会員限定料金などの宿泊料金の優遇があるから」(28%)、「よく利用するホテルだから」(25%)、「宿泊時に利用できる特典が充実しているから」(24%)が上位に挙がった。一方、国内系ブランドでは「よく利用するホテルだから」(39%)、「チェックイン・チェックアウトの手続きが簡単になるから」(33%)、「無料宿泊特典や会員限定料金などの宿泊料金の優遇があるから」(26%)が上位となった。
また、この1年間で利用した会員特典は、グローバルブランドでは「客室アップグレード」(28%)、「アーリーチェックイン/レイトチェックアウト」(26%)、「朝食の無料提供・割引」(25%)、「ホテルの料飲施設の割引・利用特典」(25%)、「宿泊料金の割引特典/無料宿泊特典」(25%)が上位に挙げられた。一方、国内系ブランドでは「宿泊料金の割引特典/無料宿泊特典」(24%)、「クイックチェックイン/アウト」(22%)、「朝食の無料提供・割引」(18%)が多く挙がった。
ポイント利用の有無で満足度に大きな差
このほか、ポイント利用の有無で満足度に大きな差があることもわかった。過去1年間でのポイントの利用内容を見ると、「宿泊料金に利用・充当/宿泊券への交換/無料宿泊特典の利用」がグローバルブランド(39%)、国内系ブランド(29%)共に最も多く挙がった。
一方、獲得したポイントをこの1年間で利用しなかった割合は、グローバルブランドで32%、国内系ブランドでは半数近い48%。その理由としては、いずれも「利用したい特典・サービスと交換するにはポイントが足りないから」が最も多く挙がった。
ポイントを利用した場合と利用しなかった場合の総合満足度の差は、グローバルブランド、国内系ブランド共に100ポイント以上あり、ポイント利用の有無で満足度に大きな違いが見られた。さらに、総合満足度が高い会員ほど、そのプログラムが利用できるホテルに優先的に泊まりたい意向が高いことがグローバルブランド、国内系ブランド共に確認できたという。
以上の結果を踏まえて、J.D. パワーでは「各会員プログラムにおいては、会員の新規獲得のみならず、既存会員が何にメリットを感じ、高い満足度を維持していくかを詳細に分析し、特典の設定やポイント制度設計をしていくことが重要」と指摘している。
総合満足度の順位は以下の通り。
グローバルブランド
- Marriott Bonvoy(686ポイント) ※「会員特典」「ポイント制度」「会員サイト/アプリ」「ホテルからの各種提供情報」の全てで最高評価。
- Hilton Honors(655ポイント)
- ALL-Accor Live Limitless(644ポイント)
- IHG One Rewards(643ポイント)
国内系ブランド
- 東横INNクラブカード(669ポイント) ※「会員特典」「ポイント制度」「会員サイト/アプリ」で最高評価。
- ルートインホテルズインターネット予約会員(662ポイント)
- リーガメンバーズ(659ポイント) ※「ホテルからの各種提供情報」で最高評価。
- アパホテル会員(658ポイント)
- リッチモンドクラブ(655ポイント)