OpenAIは、入力、クリック、スクロールでウェブサイトとやり取りできるAI搭載のエージェントツール「Operator(オペレーター)」をリリースした。このツールを使うと、旅行、食料品、イベント、レストランなどの検索・購入(予約)が可能になる。
現在は、まだプレビュー段階。OpenAI Pro購入者のみがアクセスできる。同社は、今回の発表をおこなったプログで、トリップアドバイザーで「ローマの1日ツアーを見つけて予約する」というリクエストの手順を実行するスクリーンショットを掲載した。
また、OpenAIは、Linkedinへの投稿でトリップアドバイザーに加えて、ブッキング・ドットコム、プライスライン、ウーバー、Hipcampが「Operator」を実験的に始めていることを明かしている。
トリップアドバイザーのデータおよび AI部門責任者であるラフル・トッドカー氏は、米観光産業ニュース「フォーカスワイヤ」の取材に対して、この連携はダイナミックでイノベーションを推進するエージェントAIワークフローの構築に向けた「重要なステップ」との認識を示した。
そして、「トリップアドバイザーは、OpenAI と提携して、生成AIベースの旅行計画などの新しく革新的な機能を提供してきたが、同社のOperatorでも協力する。AIエージェントワークフローを活用して、ユーザーに代わって旅行計画策定をシームレスに完了できるようにする」と話した。
トリップアドバイザーは、プレビュー段階では、ホテル、体験、レストランの旅行者データと情報をOperatorと組み合わせることで、旅行体験を向上させ、消費者とつながる新しい機会を提供しているという。
アウトドア専門のOTAであるHipcamp創設者のアリッサ・ラバシオ氏は、「テクノロジーがますます普及する未来において、屋外で自然の中で過ごすことは、これまで以上に重要だ。この連携によって、OpenAIのユーザーは、予約可能なプライベートキャンプ場、キャビン、RV、グランピング、そして他では見つからない12万件以上の場所など、Hipcampが提供するものすべてに効率的にアクセスできるようになる」と話した。
Operatorはどのように使える?
OpenAIは、「Operatorは、ブラウザを『見る』 、『対話する』ことができるため、カスタムAPI統合を必要とせず、 ウェブ上でアクションを実行することができる。Operatorは、問題に遭遇したり間違えたりしても、推論機能を活用して自己修正することも可能。途中で行き詰まり、助けが必要な場合は、ユーザーに操作を戻すだけで、スムーズにアクションを再実行することができる」と説明している。
ユーザーは、すべてのサイトまたは特定のサイトに対する指示で、Operatorをカスタマイズすることが可能。たとえば、無料の朝食を提供し、全額返金可能なホテルのみを選択するように設定することができる。OpenAIによると、Operatorは、ログインと支払いに求められるタスクの実行をユーザーに尋ねるように訓練されているという。
AIエージェント機能の開発はまだ初期段階。問題の一つは、AIエージェントがウェブサイトをナビゲートする場合、サイトデザインが人間が魅力を感じる視覚的に魅力的なものではなく、シンプルでコンテンツが豊富なものにすべきかどうかにある。
ペンシルベニア大学ウォートン校の経営学部のイーサン・モリック准教授は、「ブランドにとって次に重要なことは、AIエージェントが好むサイトを知ること」と話す。モリック准教授によると、OperatorはBingでの検索を好むという。しかし、こうした傾向は今後変化していく可能性があるとしている。
OpenAIは、Operatorの改善を継続し、最終的にはChat GPTのPlus、TeamおよびEnterpriseのプランを契約するユーザーへのアクセスを拡大して、その機能をChatGPTにを統合する計画を明らかにしている。
※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営する「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
オリジナル記事:OPENAI DEBUTS "OPERATOR" AGENT THAT CAN BOOK TRAVEL