全日空、羽田を起爆剤に収益最大化、首都圏国際路線網の完成へ -次期経営戦略

ANAグループは、来年1月末をめどに成案化する予定の次期経営戦略で目指す方向性について発表した。ANAが11の昼間発着枠を取得した2014年の羽田空港国際線発着枠拡大時を「起爆剤」とし、日本とアジアの成長を取り込みながら事業ポートフォリオの最適化とコストと改革を推進。グループ収益の最大化をめざすとしている。

フルサービスキャリア(FSC)事業では、「羽田最大の国際線ネットワークキャリア」の優位性を活かし、首都圏国際線ネットワークの当面の完成型を構築する。単価の高い首都圏発着のビジネス需要と地方需要を獲得するほか、スターアライアンスやジョイントベンチャー(JV)を活用し、成田での接続ネットワークも構築していく。一方、国内線では新幹線延伸やLCC参入による競争環境変化に迅速に対応しつつ、収益性を堅持すると表明。柔軟な機材配置の需給適合とリソースの活用で運航コストの抑制に努める。

また、LCC事業では日本と東アジアのLCCマーケットを創出し、収益事業として早期の基盤確立をはかる。ピーチ・アビエーション(MM)は関西での成功をもとにネットワークを拡充し事業基盤を強化するほか、首都圏では2013年12月に就航する100%出資のバニラ・エアでリゾートを中心とした国際線を展開。早期の黒字化の実現をめざす。

このほか、すでに決定したミャンマーのアジアン・ウィングス・エアウェイズなど、経済成長と航空需要の増加が見込まれるアジアへの戦略的投資を積極化し、事業基盤の強化につなげる方針。また、コスト面では現在の中期戦略で実施中の「1000億円のコスト構造改革」を、環境変化に対応しつつ、14年度中の完遂を目指すとしている。


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