ジャルパックは、ブランド誕生50周年を記念した特別企画と2014年下期期首商品の販売を開始した。海外商品の下期商品は燃油サーチャージ高騰、円安の影響を受けて販売単価が昨年同期比で5%の値上げに。昨年並みの12万1000人の販売を目指す。一方、国内商品は消費税率変更に伴う上昇分として約3%の値上げに。前年比105%の100万8000人を目指す(方面別の上期見込みと下期計画は下段で一覧)。
*2014年上期商品記事
今回の商品販売開始にあたり、同社が開催した記者会見で代表取締役社長の二宮秀生氏は、海外ツアーの値上げについて「知恵を絞った」結果と説明した。これは、2014年上期の値上げが前年比10%だったところから5%に抑えたことに対するもの。二宮氏は、消費税の税率アップで消費者は「価格にシビアになっている」との見方で、消費税の影響を受けない海外旅行でも「期首商品も価格を抑える」必要がある考えを示した。
今回発表された2014年10月以降で目玉となるのは上期に続いて「50周年特別企画商品」。同社ブランドが50周年を迎える記念企画として特別感を強調したツアーで、「一生に一度は体験したい」「限定を味わう」「テーマを楽しむ」「旬を楽しむ」をキーワードに安心で高品質、革新的な商品を造成した。
また、期首商品では上期商品の改善を行ったツアーとして「滞在型」「部屋番号指定」の2つがある。上期は、滞在型としてスイスを提案。好調だった実績をうけて、下期は北スペインのサン・セバスチャン滞在やモナコに滞在して南仏コートダジュールの村めぐりをするツアーを発表した。また、ハワイで好評だった「部屋指定」を国内でも企画。日航アリビラ、プライベートリゾートオクマ、カヌチャベイホテルで部屋番号確約のツアーを発表した。これら商品は、特別企画が6月30日から、その他海外商品が7月17日、国内商品が7月29日から順次売り出しを開始する。
▼2014年上期の海外商品は前年比97%で「やや苦戦」
国内商品は108%、IIT運賃の申し込み期限延長の効果が
2014年上期の販売は、海外商品が12万1000人の前年比97%で着地する見込み。二宮氏は、この結果について「やや苦戦した」と評価した。理由としては、価格上昇の影響で長距離商品の予約が伸び悩み、アジアの低迷が影響したという。全体としてはがまた、二宮氏は「円安で地上費が10%上がったことも大きい」との考え。旅行意欲は減っていないものの、家計における予算のやりくりで「マインドが働いたのではないか」とみている。
特に見込みと大きな乖離だったのは韓国とタイ。タイは政情不安が「想定外に」長引いたこと、韓国は旅客船事故なども影響して「ムードが冷え込んでいる」と説明した。長距離の伸び悩みについては、地上費が上がる中、家計防衛の手段として他方面(アジアやミクロネシア)などに振り替えられた可能性を示した。
2014年上期の国内商品は、105万4000人で前年比108%に。2013年の東京ディズニーランド30周年、出雲退社遷宮需要の反動が想定よりも少なく、ダイナミックパッケージが伸長したという。また、大きく影響した要因として二宮氏はIIT運賃の申し込み期限延長をあげた。これは、2014年4月搭乗分から旅行会社から航空会社への申し込み期限が10日前から7日前に変更されたもの。二宮氏は「(旅行者や旅行会社にとって)3日間申込日が増えているのが大きい」と、その効果を評価した。
(トラベルボイス編集部:山岡薫)