航空券比較検索のスカイスキャナーは、未来の海外旅行に関する白書「Future of Travel 2024(2024年の旅行)」の最終章「旅行先とホテル編」を公開した。英国のコンサルティング会社(The Future Laboratory)と共同で作成したもので、今回は10年後の旅行者がどのような旅行先や滞在を楽しむのかをまとめた。今回は、下段で紹介する4つのポイントを取り上げている。
未来白書では「総括」で、2004年にFacebookが始まってからの10年間、テクノロジーが生活習慣や世界の見方・関わり方を変えたことを指摘。その上で、過去20年間のSNSの時代に対して、次の20年間はオンラインプロファイルやデータに残した足跡を利用してニーズや好みを予測する「ビッグフレンドリーデータ」の時代になるとしている。
ポイント1: 未来のホテル客室
ホテル滞在はゲストのソーシャルメディアプロファイルをもとにカスタマイズした客室が準備され、個人の好みに合う食事やアクティビティなども紹介されるようになる。浴室ではセンサーで感知したゲストの状態に合わせて水温やシャワーパターンを調節。壁や鏡はタッチ式のインタラクティブな機能が備わり、ビデオ画面や通信ハブとして機能するようになる。
ポイント2: パーソナルな現地体験を求めて
エアービアンドビー(Airbnb)のような自宅をゲストに貸し出す協力型の旅行が増加。先進国の5~10%の人がホストになり、自宅で人を招き有料で食事を提供するサパークラブも増加すると見る。地域の人と交流するソーシャルトラベルは5年以内に定番となり、こうした旅のそのサポートとしてSNSが活用されるようになるとする。
ポイント3: 空と海へ
このほか、2024年の旅行では宇宙や水中が滞在先となる。宇宙旅行は富裕層の手の届く商品となり長期滞在も可能に。地球周回軌道の旅行が宇宙旅行よりもリーズナブルに提供されるようになり、2016年には低地球軌道の旅がヘリウムガス風船で移動するキャビンで実施されるようになる。海中には建物全体が水面下に建築されるホテルも登場すると予想する。
ポイント4: 最初と最後の旅行者
旅行先では「最初」と「最後」がキーワード。ソーシャルメディアで発信することが旅行のモチベーションとなり、注目されるスリルある旅行先が選ばれるようになるためで、例えば、アジアやアフリカ、中東の禁止区域や大衆化されていない地域への「最初」の旅行者となる欲求や、絶滅危惧種を見るなど「最後」の目撃者となる旅行に満足感を得るようになるという。
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(トラベルボイス編集部)