星野リゾート、タヒチでホテル運営を来春開始へ、運営事業を加速

星野リゾートは、2015年4月1日からタヒチ・ランギロア島に「星野リゾート Kia Oraランギロア」の運営を開始する。現在のHotel Kia Ora resort & Spaから運営を委託されたもので、同社が「所有と開発から離れて運営に向かう(星野佳路代表)」方針の一環。販売については日本からの送客に加えてアメリカ、ヨーロッパ市場で販売強化を進める計画だ。

このほど開催された同社のプレス発表会で、星野佳路代表がこの新しいプロジェクトについて説明した。新たなホテル運営となるタヒチでも、現地に根差した文化やスタッフの感性をサービスに生かした展開。ホテル運営におけるコンセプトも、従来同様にタヒチの人々にとっての誇り、伝えたいことをスタッフ自身が作り上げる会議を実施して決定したという。

ホテルは水上バンガロー10室、プールヴィラ25室、ビーチバンガロー25室と別館の5室をあわせて全65室。3つの客室タイプは、すべて1棟づつ独立したヴィラタイプで、ポリネシアの伝統をモチーフにモダンさを取り入れている。また、ホテルからボートで約1時間の無人島には別館ル・ソバージュが5室。全体で宿泊者数を10名と限定して特別な空間とした。


▼星野リゾートの海外戦略

「星野や バリ」開業は2015年夏ごろに


IMG_6929プレス発表会では、星野氏(写真右)が同社の海外戦略についても触れた。「グループ全体として海外拠点は積極的に取り組んでいきたい」考えで、リーマンショック以降、世界のホテルから運営の声がかかることが多くなっているという。

この理由について、星野氏は二つのポイントをあげた。ひとつめは世界のホテルから「(同社が掲げる)マルチタスクに注目が高まっている」こと、ふたつめは世界の旅行者が旅行先を選ぶ際に「地域らしさ」「地域の魅力」を重視していることだ。

マルチタスクについては、日本人の時給が高額なことから“宿命”として育ってきたもので、「労働生産性の仕組み」として声がかかるひとつの理由と説明した。「地域らしさ」については、同社の運営する各ブランドが重要視しているポイント。コモディティ化する世界のホテルが、成熟した旅行者に対応するための特色として期待されている。

*世界のホテルのコモディティ化に対する星野氏の見解は、以下のインタビューを参照。

>>> 星野佳路氏インタビュー、世界のホテルが直面する2つの変化

プレス発表会では、改めて星野代表が同社方針が「所有と開発から離れて運営に向かう」ことを強調しており、こうした追い風をうけて、今後もホテル運営事業を加速していくとみられる。

なお、星野リゾートとして海外拠点で最初の開業になる予定だった「星のやバリ」は建設の遅れが続いており、星野代表は「2015年7月から夏頃の開業になる」見込みであることを発表した。

(トラベルボイス編集部:山岡薫)

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…