三井物産戦略研究所はこのほど「世界のレジャー・娯楽サービス産業の概観」と題する調査レポートを発表した。市場規模1.5兆ドルといわれる世界の同産業全体を対象に、「主要国の市場動向」「業種・産業分類別の分析」「新興国の需要や企業成長」などの視点からとりまとめられたもので、IT化の流れが業界構造を大きく変える可能性についても示唆に富んだ分析が行われている。*右画像はレポート目次。クリックで拡大。
▼主要国の市場動向
市場総額ベースでもっとも規模が大きいのは米国で3,970 億ドル。次いで日本(1,750億ドル)、中国(1,080億ドル)、フランス(1,000億ドル)、ドイツ(910億ドル)と続く。世界75カ国を対象にした調査分析から、現在の中・低所得国(中国・ロシア・インドなど)が市場拡大のけん引役を担うとみている。
▼IT企業の参入による産業全体への影響
グーグル(Google)、アマゾン(Amazon)、アップル、サムソンなどの大手IT企業がレジャー・娯楽サービス業界のビジネスモデルや勢力分布に与える影響が大きいと分析。テクノロジーを活用したコンテンツ流通やライブメディア展開、各種ビッグデータを活かした集客の動きについても言及。産業全体の勢力分布を塗り替える可能性もあるとしている。
本レポートでは、「レジャー・娯楽サービス市場」の定義として、国際標準産業分類 (ISIC Rev.3) のセクターO92「Recreational,cultural and sporting activities」を採用。映画、コンサート・観劇、放送視聴(衛星・ケーブルを除く)、美術館・博物館、図書館、動物園、植物園、遊園地、スポーツクラブ、スポーツ観戦、ギャンブルなどが含まれる。ホテル・外食(世界市場規模約 3.3 兆ドル)、運輸や AV 家電、DVD・CD・出版物、楽器、スポーツ用具などの消費財市場は含まれない。
(トラベルボイス編集部)