【年頭所感】 KNT-CTホールディングス代表・戸川和良氏 -ウェブシフトへの道筋を確かなものに

KNT-CTホールディングスの代表取締役社長・戸川 和良氏は、同社本社で行われた平成27年度年賀式で年頭あいさつを行った。

戸川氏は、昨年の大型イベントによる旅行需要の堅調な推移や訪日旅行者が過去最高になった点を振り返りながら、同社グループの生き残りの道をコモディティ化からの脱却であると強調。前例にとらわれず、自由な発想や個性的な商品造成をすることで旅行者に選ばれる企業を目指すべきとした。そこで、今後の柱となる事業がスポーツ関連事業、訪日旅行事業、地域誘客・交流ビジネス事業であるとした。また、ウェブへの注力の重要性に触れ、ウェブシフトへの道筋を確かなものにするための取組みの必要性を訴えた。

発表された戸川氏の年頭あいさつ要旨は以下のとおり。原文のまま、掲載する。

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皆さん、新年明けましておめでとうございます。気持ちも新たに新年を迎えられたことと思います。

昨年は伊勢神宮・出雲大社の遷宮効果や東京ディズニーランド30周年の反動減があったものの、ソチオリンピックやワールドカップブラジル大会等の大型イベントが開催され、全般的には旅行需要は堅調に推移しました。また、一昨年に初の1,000万人を超えた訪日旅行者は、昨年1,300万人を超すまでに成長してきました。

昨年の新年のあいさつで、コモディティ化からの脱却こそが、我々グループが生き残る道であり、それを訴求していくことが必須であると申し上げました。前例にとらわれない自由な発想、個性的なご提案や商品造成によってコモディティ化からの脱却を確固たるものとし、お客さまに選ばれる企業を目指さなければなりません。また、今日の現代社会ではWebの重要性は高まるばかりです。当社グループのWeb事業について概観しますと、昨年スタートした「e宿」については、更なる契約件数の増加に向けて努力している最中です。増加が見込まれる訪日個人旅行者に対してもWebの整備を進めています。Webへのより一層の拡充を図り、Webシフトへの道すじを確かなものとするため、グループを挙げて取り組んでいかなければなりません。


今後の柱となる注力すべき事業はスポーツ関連事業、訪日旅行事業、地域誘客・交流ビジネス事業です。スポーツ関連事業では、2020年のオリンピック・パラリンピックの東京開催が決定いたしました。マラソンをはじめとしてスポーツ熱は年々高まっており、東京オリンピック・パラリンピックの開催決定により、その流れはさらに加速すると予想されます。当社グループはこれまでもスポーツ関連事業に強みを発揮してまいりました。この好機を逸することなく、是非需要の取り込みに精力的に邁進していただくようお願いします。

次に訪日旅行事業。日本を訪れる海外の方は増加の一途を辿り、政府が掲げる2020年までの年間2000万人が夢物語ではなくなってきました。課題はいかにして増加する訪日個人旅行者の需要を取り込むかということです。海外現地法人と連携を密にして、日本では把握が難しい海外の方のニーズを的確に捉えたWeb展開を図り、海外の方に支持される魅力的な商品を提供することでこの分野での大きな発展を期待しています。最後に地域誘客・交流ビジネス事業です。現政権での最重要課題の一つとして位置付けられている地方創生では、地域誘客はまさしくこの理念に合致するものであり、我々グループの強みが最も活かされる分野です。シナジー効果をフルに発揮して地方を元気にするお手伝いを進めていきたいと思います。


当社の誕生で最も期待されたのがシナジー効果の創出です。昨年は相互協力の下、売上で概ね30億円、売上総利益で6億円を超える数字が創出されたと想定しています。本年も更なるシナジー効果の拡充を図り、他社には模倣できない収益源を作り上げていくよう改めてお願いします。

コンプライアンスの重要性について少しお話しておきたいと思います。不祥事を看過しない体制、その行動を起こさせない体制がコンプライアンスを維持し、それが会社ならびに本人を守ることになります。業務遂行にあたり、あらゆる事象に問題意識を持って、些細と思われる事象にも充分に配意していくよう改めてお願いします。

企業にとって最重視されるのは結果としての利益です。いくら売上高があっても利益が残っていなければ、その活動は徒労であったと言わざるを得ません。利益にこだわり、利益が残ることを意識し、売上総利益率の向上を常に頭に置いて営業活動を進めていただきたいと願っています。

今年はKNT-CTホールディングスが発足して3年目を迎えます。この2年を振り返ると、当初私たちが思い描いていた統合の成果には至っておらず、未だ途上であると言わざるを得ません。今年は、本当に正念場であり、中期経営計画の最終年度でもあります。1年の成果を求めつつ、次に繋がる土台を築き、次の明るい展望を持った中期経営計画に移行できるように、より一層の奮励努力をお願い申し上げます。

終わりに臨み、皆さん方ならびにご家族のご健康とご多幸を心から祈念して、新春のあいさつといたします。

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