カナダのユーコン準州から、副首相兼観光大臣のエレイン・テイラー氏(写真右)が来日した。同州では、日本人旅行者を北米、ドイツに次ぐ優先順位の高い市場と捉えており、今回の来日は日本市場に対するコミットメントを示したもの。観光関連のミッション12団体とともに、旅行会社を対象とした観光セミナーやワークショップに参加し、日本人誘致を目指したアピールを行った。
ユーコン準州は、日本人旅行者にとってオーロラ観光で有名だ。テイラー大臣は、このアイコンともいえる「冬のオーロラ」とともに、違う魅力の存在を伝えることで日本人旅行者を増やしたい考え。春から夏の大自然の中を歩くハイキングや秋のツンドラ紅葉など、新たな旅行素材を紹介した。
また、冬の魅力として「犬ぞり」が日本人旅行者に訴求できると手応えを感じているという。これは、2014年に出版された本田有香氏の「犬と、走る」が注目を集めていることから。同州で行われる1000マイルを走る犬ぞりレース「ユーコン・クエスト」を完走した著者の波乱万丈の人生を描いたものだ。
同州の魅力を犬ぞりを通して伝える書籍が注目を集めていることで認知度が上がり、観光素材としてフィッシング、ハイキング、紅葉などの同州の魅力が日本人に伝わっていくことに期待する。そして、こうした強みといえる大自然の体験を「若い人に伝えたい」との考えで、様々な観光・体験を提案することで「継続的な成長を目指す」と意欲を語った。
▼アクセス向上で旅行者増に期待
ユーコン準州の玄関口となるホワイトホース空港まではバンクーバーから約2時間のフライト。昨年から羽田発を含めてバンクーバー線が増便、今夏からエア・カナダルージュの関空/バンクーバー線が増えることでアクセスが向上する。日本から同日接続が可能なことから、テイラー大臣は旅行者増を期待している。
今回のミッションには、同準州を拠点とする航空会社「エアー・ノース」も参加しており、バンクーバー/ホワイトホース間を1日2便運航するほか、州内、カルガリーやイエローナイフへのフライトもあることをアピールした。
なお、日本からユーコン準州への渡航者数は、年間約4000人。オーロラ人気を背景に、成長をつづけており、日本は海外市場で5番目の市場となっている。同州としては、日本市場をオーストラリアや英国と同じ位置づけとして、予算増額などで日本人誘致を強化する。カナダ観光局との大型共同プロモーションも予定しており、2015年春頃にその詳細が発表される予定だ。
(トラベルボイス編集部:山岡薫)