東京商工リサーチによると、熊本県水俣市の湯の児温泉にある老舗温泉旅館「山海館」が2015年4月15日に事業を停止し、破産手続きを弁護士(竹中・本田法律事務所:本田悟士氏)に一任した。負債総額は約6億円。
山海館は総客室71室、大広間3室を有する湯の児温泉でトップクラスの規模を誇る旅館。30メートルの洞窟風呂やオーシャンビューの露天風呂で人気を博し、ピーク時には年間6億円台の売上を上げていた。
しかしバブル崩壊後の団体客の低下や、近隣の観光資源不足やアクセスの不便さにより、客数の減少に比例して売上も減少。昭和63年11月に約8億円を投じた全面改装をしていたが、金利負担などから収益も悪化し、慢性的な赤字経営が続いていた。立ち寄り湯など日帰り客の取り込みにも力を入れたものの、近年の売上高は年間1億円台に停滞していたという。