総合カーエレクトロニクスメーカーの富士通テンは、効率的なタクシー配車を行なう「クラウド型タクシー配車システム」を開発し、2015年6月1日から販売を開始する。同社は現在、ICTを活用し、「人」「車」「社会」のデータを繋ぎ合わせ、新しい価値や新領域の製品の創造に取り組んでいるところ。今回の新製品はこれを具現化したものの一つだ。
配車管理の機能をクラウドセンターに集約し、タクシー会社が所有していた専用サーバーを不要にすることで、初期費用の低減と時間短縮、24時間の保守体制が可能となるのが特徴。配車システムに必要なサーバーやデータベースは、クラウドセンターで一括して構築・管理するという。
さらに、富士通の位置情報を活用したクラウドサービス「FUJITSU Intelligent Society Solution SPATIOWL(スペーシオウル)」を利用し、気象情報や鉄道の運行情報から、イベント開催情報などの位置に紐づいたビッグデータとも連携。タクシー需要に関わる情報を分析し、効率的な流し運行や計画的な車両配置をサポートするサービスも、2015年秋から順次、提供していく予定だ。
タクシー会社が用意する主要機器は配車センターの配車用パソコンと、タクシーの車載機器。タクシー100台でタイプA(自動で配車可能)の場合、システム導入費が約500万円で、クラウド非対応システムの約半額に低下。クラウド使用料は月額約10万円の設定だ。