JTBが発表した2014年度(2014年4月~2015年3月)のグループ連結決算は、売上高が前年比1.4%増の1兆3239億円、営業利益が同17.5%減の111億円、経常利益が同21.1%増の186億円、当期純利益が同94.3%増の147億円となった。
2014年は、2020年にアジアNo.1を狙う中期経営計画「2020年ビジョン」実現に向けた2年目として、国内事業、訪日インバウンド事業、グローバル事業、地域交流事業の各分野にて具体的な取り組みを強化。加えて、ハワイ・ホノルル支店の開設50周年事業や経済産業省による「ダイバーシティ経営企業 100選」受賞などを通じて国内外での評価にも弾みをつけた。
その結果、旅行事業では、国内部門は売上高が前年比0.3%増の5758億円、訪日旅行部門が同36.4%増の533億円といずれも好調な推移を示したほか、海外旅行部門では同0.7%減の5282億円となった。国内、海外、訪日部門のウェブ販売取扱額は、前年比10.7%増の1974億円に達している。
また、グローバル事業では、ビジネスモデルとして掲げた「世界発、世界着。」の実現を目指して積極的な投資などを実施。顕著な成長期にあるアジア市場ではシンガポール、フィリピン、アジア・パシフィック地域での企業買収や現地法人設立を実現。ヨーロッパでもスペイン企業への資本参加などにより着地型ビジネスの展開を本格化。特に旅行需要拡大が著しい中国を対象とした営業基盤整備では、中国発日本・アジア・北米・ヨーロッパなど各方面への対応体制強化を図った。
これらの施策により、2015年3月末時点の海外拠点数は36カ国・100都市・516拠点となり、海外事業会社全体での売上高は前年比24.9%増の2589億円に至っている。
中期経営計画の最終年となる2015年度は、「2020年ビジョン」の達成に向けた計画を実行。成長が顕著な地域への積極投資に加え、中長期的な成長が見込まれる地域での事業基盤・経営基盤を強固なものにしていく。2015年度の業績見通しは、売上高1兆3250億円、経常利益220億円、当期純利益123億円としている。
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