エイチ・アイ・エス(H.I.S.)の2015年10月期第2四半期(2014年11月1日~2015年4月30日)の連結業績は、売上高が前年比3.2%増の2607億9800万円、営業利益が19.7%増の100億2900万円、経常利益が16.7%増の112億5400万円、四半期純利益は17.0%増の51億200万円となった。売上高と経常利益は5期連続の過去最高、営業利益は4期連続で過去最高を達成。純利益も保有株式売却損があったものの、過去最高となった。
主力の旅行事業では、売上高が2.4%増の2296億2200万円、営業利益が35.3%増の53億8100万円。海外旅行は円安基調と欧州、中近東への情勢不安の影響はあったものの、利用客層の拡大やニーズへの対応を目的とするビジネスクラス利用商品や高付加価値商品の拡充に注力。企業や団体旅行で大型案件の受注も増加した。また、インターネットでは各サイトの会員情報を一元化。オンラインと店舗の両チャネルでの顧客情報の共有にも取り組んだ。
国内旅行では北陸新幹線開通などで高まったレジャー需要を取り込み、堅調に推移。訪日旅行では旧正月期間の中国人旅行者の受入が大幅に増加したほか、大阪の「ツーリストインフォメーションセンター」をはじめとする訪日カウンターの開設など、観光案内とオプショナルツアー販売のサポート体制も強化し、過去最高の取扱人数を更新したという。
海外事業ではスロベニアやマチュピチュの玄関口クスコのツアーデスクなど、拠点拡充を推進。東南アジアでの現地向け拠点として多店舗展開も進め、営業拠点数は海外61か国128都市187拠点に拡大した。
通期の業績予想は、売上高10.8%増の5797億円、営業利益22.0%増の194億円、経常利益12.5%増の214億円、当期純利益17.1%増の106億円と変更はなし。ただし、売上高については、航空燃油の下落により旅行事業の売上高に含まれる燃油サーチャージが漸減していることから、その影響の可能性はあるとしている。その他、各事業の概要は以下の通り。
▼テーマパーク事業(ハウステンボス、ラグーナテンボスなど)
- 売上高:18.0%増の165億3600万円、営業利益:3.3%増の52億8800万円
▼ホテル事業
- 売上高:16.7%増の32億5400万円、営業利益:78.5%増の3億4400万円。
※2015年5月にインドネシアに「ウォーターマーク・ホテル&スパ・バリ・ジンバラン」開業
▼運輸事業(国際チャーター専門のアジア・アトランティック・エアウェイズなど)
- 売上高:30.9%減の13億3600万円、営業損失:6億4000万円(前期は5億5200万円の損失)
▼九州産交グループ(九州産交バスなど)
- 売上高:4.5%減の122億4700万円、営業利益:8.6%増の7億1800万円
※索道事業(阿蘇山ロープウェー等)の火山規制に伴う運休あり
※2015年8月に熊本県桜町再開発事業に着工予定