グーグル(Google)は、ユーチューブ(YouTube)提供から2015年で10周年を迎えたのを機に、この10年間の動画の変化と今後10年の展望を発表した。アジア太平洋地域 広告マーケテイング統括部長 ギャップ・キム氏が同社ブログに投稿したもの。キム氏は2015年はモバイルからの視聴時間が前年より90%増と大幅に増え、全体の50%を超えると予測。場所を問わず、好きな時に利用できるモバイルが動画視聴の最適なスクリーンにとって変わるなど、大きく変化し、成長している。
グーグルは、YouTubeを2005年に提供を開始し、アジア地域では2007年にスタート。動画広告TrueViewを開始したのは2010年のことで、2014年にNIKEの「Winner Stays」で初めて広告が1億回以上再生されるようになった。
YouTubeではこの10年を振り返りつつ、動画の世界で最も変化したことは「選択」だと指摘。選択肢は格段に増加し、現在では全世界で毎分300時間以上もの動画がアップロードされ、それを選択して視聴できるようになった。広告もNIKEのように選択して視聴されるコンテンツとなり、2014年の「全世界のトップトレンド動画(音楽を除く)」の10以内に4つの企業プロモーション動画が入ったという。
その上で、この「選択の時代」に企業が対応すべきこととして、NIKEの広告のような(1)オーセンティック(本物)であること、に加え、ユーザーが視聴に夢中になるものとの(2)関連性を持たせること、の2点を提案。
(2)では、2週間で1500万回以上再生されたIKEAのカタログ動画の例をあげる。テクノロジーに興味のある若者への訴求をねらい、シリコンバレーの企業が使用する新サービスのローンチ動画のように制作したのがポイントだという。
今後の10年については、さらに何十億人もの人がインターネットを使い始めるようになると指摘。これらのスマートフォンで初めてウェブの世界に触れる人々がコンテンツの概念を作り変えるとし、この革新を理解する企業が未来での地位を構築できると展望している。
なお、2005 年にYouTube サービス開始されたときに、初めて投稿された動画が以下。ネット時代の時間の流れの速さを感じさせる。