JTBグループのジェイアイ傷害火災保険がこのほどとりまとめた海外旅行保険契約者の事故発生状況によると、2014年度の事故発生率は3.53%(28人に1人)だった。
海外旅行保険による補償で最も件数が多かったのは、ケガや疾病による治療や救急車の交通費、医療通訳や家族が現地に向かうための渡航費用などを含む「治療・救援費用」(45.9%、前年比3.8%増)。
次いで多かったのは「携帯品損害」(34.9%、前年比3.8%減)で、内容はスーツケースやカメラ、携帯電話やスマートフォンといった手荷物の破損や盗難への対応が中心。3位は航空機の遅延や欠航、航空会社に預けた荷物の紛失や偶発的な事故による出費を補償する「旅行事故緊急費用」(16.5%、前年比0.8%増)となっている。
また、事故の内容は、旅行先の地域によって傾向が異なる。
ヨーロッパやアフリカでは「携帯品損害」の事故が多い一方で、アジア・オセアニア地域では「治療・救援費用」の事故が多く、グアム・サイパンでは「旅行事故緊急費用」補償に該当する事故が多かった。同社では、特にヨーロッパでは、周囲への警戒心が乏しく多額の現金を持ち歩きがちな日本人がスリなどの「標的」になりやすい状況が継続していると分析。また、アジアでは日本との気候の違いから体調を崩す人が多いうえ、衛星環境が悪い地域も存在することが要因とみている。
地域ごとの補償項目別事故状況(保険金支払い件数ベース)は以下のとおり。