世界的な旅行卸売企業(ホールセラー/BtoB)「ベッズオンライン(bedsonline)」が日本市場での取り組みを強化する。ベッズオンラインは、現在、世界36カ国2万5000社を超える旅行会社に宿泊施設、チケット、送迎などを販売。日本市場でも商機を見込み、本格的な営業展開に舵をきっている。
同社が日本市場に注力するのは、世界の旅行者に日本の人気が高まっていることが大きな要素だという。そして、日本の経済規模から訪日旅行市場でも日本人の海外旅行市場ともに旅行産業全体の潜在力が高いと判断。日本の旅行会社とパートナーを組むことが、ベッズオンラインにとって大きなビジネスチャンスになると同時に、旅行会社にとっても大きな成長につながるとアピールしている。
「旅行会社に特化したビジネスを展開するベッズオンラインのビジネスモデルは、日本の旅行業界が求めるものに合致している」と強調する同社。そのビジネスモデルは、豊富な旅行商品の在庫を旅行会社に日本語予約サイトで提供。そこで手配を完了させることだけでなく、旅行会社側のシステムに予約機能を埋め込むことで利便性を高めている。システムとの連携で、旅行者(消費者)が旅行会社サイトを通じて直接ベッズオンラインの在庫にアクセスできる仕組みだ。
そのビジネスモデルの最大の強みは、豊富な在庫。世界7万5000軒を超えるホテル、個人宅、アパートなどの宿泊施設のほか、さまざまなチケット、8000種類のアクティビティ、1万3000を超える送迎ルート、500社以上のレンタカー会社を扱っている。
その商品を決済する際は、オンライン上で完結できるシステムを提供。支払いごとに旅行会社に対して即時に手数料10%が差し引かれる仕組みも備えた。
今後は、同社は継続的に商品の品ぞろえを更新していくことに注力をしていく方針だという。これは、個人旅行者によるホテル単体の予約や、航空券と宿泊施設をオンライン上で組み合わせて購入するダイナミックパッケージへのニーズが高まりに対応するもの。2015年には、契約旅行会社向けに特別な条件で提供される宿泊商品をさらに充実させたほか、送迎手配では新たにシャトルサービスや高級車によるプライベート送迎などのオプションも加えた。
さらに、東京にはカスタマーサポートセンターを設置。予約前、到着前、旅行中、旅行後など、あらゆる場面で契約旅行会社からの相談を受付ける。営業体制としては、ジャパンチームを編成。チームでの対応やサービスの拡充をすることで、旅行会社にとっての利便性の高さを維持する考えだ。
ベッズオンラインは、ドイツを拠点とする世界の大手旅行会社TUIグループ傘下のホールセール会社。総合旅行サービスを提供するTUIグループは、BtoBでは個人旅行を扱う「ベッズオンライン」の他に、団体を扱う「ホテルベッズ」も展開している。
*上記写真は、ジャパンチームの3名。右から東京地区担当営業・大平慎氏/中央:アジア・太平洋地区統括部長チュン・イ・ライ氏/左:関西地区担当営業マネジャー富山さと子氏