GDSアマデウス、海外出張者の危機管理アプリなど新サービス発表、緊急時の迅速対応をアピール

GDSアマデウス・ジャパンは、旅行会社・航空会社・企業の業務手配担当者を対象とした業務渡航セミナーを実施した。そこでは、日本市場で新たに導入する新サービスを紹介。緊急時にスマホで出張者と企業が迅速なコミュニケーションが取れるメッセンジャー・アプリや、航空券の予約変更・取消で手数料や払い戻しの計算を自動で行うソリューションなど、ビジネス・トラベル・マネージメント(BTM)において迅速な対応が必要なシーンで活用できる商品だ。


IMG_1213冒頭あいさつでは、同社代表取締役の大竹美保氏(写真)が「常にカスタマーファーストというスローガンでソリューション提供を目指してきた」として同社の姿勢を強調。今回発表する商品が、自然災害やテロなどの緊急時に迅速に対応できるものであることに自信を見せた。

今回のセミナーでは、日本の消費者が価格へのこだわりよりも「信頼」「安心」を優先事項にしていることを軸に、出張手配では「リスクを最小限にとどめること」を提案。出張者が渡航中に業務で成果を残すために、移動などの本来の業務以外のことに神経を使わずに済ませることが旅行会社の付加価値を高めることを呼び掛けた。

今回発表された商品は以下の通り。

海外出張者の危機管理支援「Amadeus Mobile Messenger」

海外出張者の危機管理やイレギュラー対応をするソリューション。近年、感染症やストライキ、テロなど予期せぬ事態に直面するシーンが増えている。そうしたときに、情報収集と旅行者の位置情報を企業が把握することができるもの。

企業側では出張者のスマホGPSで位置情報を把握、PC画面上で所在を一目で特定できる。インタラクティブ地図で所在地を自動更新しながら常に最新の状態で確認したり、コンタクトが必要な出張者を地図上から探すことも可能。

出張者とのコミュニケーションも、メールやSMSのほか、スマホアプリでプッシュ通知することができる。インタラクティブ地図を活用し、地図の範囲指定をしてその範囲に所在する出張者に対してメールを一斉送信も。出張者一覧のエクスポート機能もあり、企業独自の危機管理システムとの統合も可能だ。

プレゼンテーション資料より

航空券の予約変更・取消しへの対応で新機能「Amadeus Ticket Changer」

アマデウス社によると、航空券発券後の変更・取消は全体の約1割。同社は、予約・発券見後の変更・キャンセルがスムーズにできることが、選ばれる旅行会社の条件のひとつであることを強調。それを実現する機能を発表した。

  • ATC shopper: ウェブで出張者自身がいつでも航空便の変更ができる機能。顧客用の専用サイトを構築し、旅行会社の営業時間外でも、顧客自身でスムーズに旅程変更をすることができる。
  • ATC Refund :変更・払戻し処理の手続きを誰でも簡単にできるサービス。これまで手作業で入力した場合、運賃や諸税・取消手数料の差額を計算するためには約25分かかってきたが、この時間を削減。完全自動化プロセスを踏むことで、変更は4ステップに短縮。払い戻しは、ペナルティ金額を自動で読み込み、3ステップで可能にした。

どちらも全航空会社で利用可能で、要望に対する即時回答が可能となる。


販売戦略に沿ったフライト検索「Amadeus Air Preferences」

GDSに表示されるフライトの検索結果表示をカスタマイズし、各社の販売戦略に沿った予約を実現するソリューション。手配担当者が予約を実行する際に、検索オプションをつけることなく各社が優先的に販売したい航空会社やフライトに誘導することができる。

同社によると、手配担当者が手配するのはGDSに表示された1ページ目の画面が約70%。設定時には、コードシェア除外やフライト組み合わせ優先度、乗継地のランク付けなど、様々なポイントで設定できる。

こうした新たなソリューションとともに、同社の大きな強みは世界136航空会社と各旅行会社が共通のPNR(予約記録)を持てること。これによって、出発前から渡航中・帰国後まで予約データの不整合が発生しないことから、出張者自身が航空会社サイトからフライトの確認をすることもできる。こうしたソリューション力を強みに、今後も利用促進を図る考えだ。


みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…