全日空(NH)は高齢化社会や訪日需要を踏まえ、国際線を中心に医療サポート体制を強化する。その一環として2016年6月から、医師登録制度「ANA Doctor on board」を開始。機内で傷病者が発生した際、「ドクターコール」(アナウンスによる医療関係者の呼び出し)をせずに、登録した医師に協力依頼ができるようになるため、迅速な救急医療処置に繋がるという。医師登録制度は7月から募集を開始し、9月から国際線で運用を開始する予定だ。
また、機内搭載の医療物品もこれまで以上に詳細に開示し、旅客や登録した医師にも事前に確認できるようにする。さらに6月1日から導入するタブレット端末のコミュニケーション支援ツール「ANA コミュニケーション支援ボード」も活用。音声を含む各国の言語で、医療行為発生時の初期対応にも利用する。コミュニケーション支援ボードは当初は4か国語、9月に13言語を追加。すべての表示に音声発話機能を付与している。
なお、搭乗機に登録した医師がいない場合などは、従来通りドクターコールを実施する。また、「MedLink」との提携も従来通り行ない、24時間365日体制で緊急時にも電話による医療ケアや専門家によるアドバイスを得られる体制としている。
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