観光庁が発表した主要旅行業者50社の旅行取扱状況速報によると、2016年4月の総取扱額は前年比1.6%増の4012億625万円。そのうち海外旅行は2.1%減の1374億1084万円、外国人旅行は20.5%増の220億8135万円、国内旅行は2.4%増の2417億1405万円となった。
観光庁では今回、同速報値の対象となる企業群を一部変更。公表対象として旅行業者21社が新たに加わったと同時に、JTBグループ15社、KNT-CTグループ8社、阪急交通社グループ3社は社内取引後の合算値のみを公表。これに伴い、同統計上の主要旅行業者数は合計50社となっている。
海外旅行の取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。上位5社(JTBグループ15社、H.I.S.グループ5社、阪急交通社グループ3社、KNT-CTグループ8社、日本旅行)のうち、H.I.S.は13.2%の2桁増の伸びで突出。4位KNT-CT(82億100万円)は5位日本旅行(76億8816万円)との拮抗が続いている。
外国人による訪日旅行の旅行会社別取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。上位5社(JTBグループ15社、日本旅行、H.I.S.グループ5社、KNT-CTグループ8社、楽天)のうち、日本旅行は前年比32.2%増の45億6898万円となり、前月に続いて好調だ。
国内旅行の旅行会社別取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。上位5社(JTBグループ15社、楽天、KNT-CTグループ8社、日本旅行、ANAセールス)のうち、楽天は唯一2桁増の伸びを継続し、2位の位置を安定的に維持している。
旅行商品ブランド全体の取り扱い状況
旅行商品ブランド(募集型企画旅行)では、2016年4月の総取扱額は前年比1.7%減の1115億1359万円。取扱人数合計も4.8%減の280万6408人でマイナス遷移となった。
そのうち、海外旅行は取扱額が前年比4.8%減の391億2451万円、取扱人数は2.6%減の20万3371人となった。外国人旅行の取扱額は8.4%増の8億7009万円、取扱人数は10.8%増の5万4641人。国内旅行の取扱額は0.1%減の715億1900万円、取扱人数は5.3%減の254万8396人となっている。
方面別の全体傾向
旅行会社へのヒアリングによれば、海外旅行は国際情勢に対する不安などの影響により需要落ち込みがみられ、欧州方面を中心として対前年割れが継続した。外国人旅行では東アジアやビザ要件緩和があった東南アジアが引き続き好調。国内旅行は熊本地震の影響により九州方面の大幅な落ち込みがみられたが、東北地方などそれ以外の地域ではおおむね好調だったとしている。