JTB総合研究所はこのほど、「スマートフォンの利用と旅行消費に関する調査(2016)」の結果を発表した。
それによると、スマートフォンでよく使う機能のうち、「メッセージ・チャットアプリ」(70.4%)、「ニュースアプリ」(20.6%)、「画像投稿サイト」(14.8%)などの利用率は継続的に増加。その一方で、「メール」(80.7%)、「電話」(71.8%)、「検索エンジン」(58.0%)、「SNS」(37.9%)、「ネットショッピング」(27.7%)などがすべて昨年と比較して減少傾向にあることがわかった。
なかでもSNSは前年から6.9ポイント減と減少率が大きく、40代女性以外のすべての年齢で減少傾向に。おもなSNSでは、フェイスブックが4.6%減の36.7%、ツイッターが2.0ポイント減の30.4%。ただしインスタグラムは5.4ポイント増の19.3%と増加傾向にある。
SNS利用に関する意識の変化では、「昔の知り合いとつながり再び交流するようになった」「SNS で話が盛り上がりメンバーを募って旅行やレジャーに出かけた」との回答は減少したが、「SNS で知った情報でいいと思ったものを購入した」「SNSの投稿で行ってみたいと思った場所に行った」は増加。同社ではこの現象について、人とつながるための交流ツールとしてのSNSが、ニュースや消費に関する情報ツールへと位置づけを変えている可能性があると分析している。
スマートフォンの主な用途に関する回答は以下のとおり。
旅行商品の予約・購入割合は3割以上に
旅行商品に関する利用状況では、予約や購入の割合は年々増加。2013年には約2割弱(19.4%)だったが2016年には34.1%と3割以上がスマートフォン経由での購入・予約を経験。スマホでの予約・購入が多いのは「宿泊施設」(18.6%)、「国内ツアー」(11.8%)、「レストラン予約」(7.4%)の順。「海外ツアー」はスマートフォン以外からの予約・購入(17.5%)がスマホ経由(2.9%)を大きく上回る結果となった。
直近の旅行に関する商品の予約・購入状況は以下のとおり。
なお、国内旅行で参考にしたサイトのトップ3は「じゃらん」(33.5%)、「JTB(るるぶ)」(31.9%)、「楽天トラベル」(30.5%)の順。海外旅行では「HIS」(20.1%)、「JTB」(19.4%)、「JAL」(10.6%)だった。ただし内容は年代別に傾向が異なり、例えば60代女性の国内旅行では「クラブツーリズム」「阪急交通社」の利用がほかの属性と比較して多い。海外旅行では30代女性による「地球の歩き方」「トリップアドバイザー」利用が多く、60代男女ではほかの属性と比べて「阪急交通社」利用の多さが目立つ結果となっている。
この調査は、首都圏、名古屋圏、大阪圏に住む18歳から69歳までの男女1万名に対するスクリーニングを実施後、本調査としてプライベートでスマートフォンを利用し、過去1年以内に1回以上の国内旅行(日帰りも含む)経験者1030名を対象におこなったもの。調査期間は2016年9月24日から26日まで。