マクロミルと三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施した共同調査「2016年スポーツマーケティング基礎調査」によると、スポーツの実施や観戦に関心を持つ人は、昨年同様全体の約7割を占めた。ただし、スポーツ用品の購入や観戦、施設利用などスポーツ活動への参加市場規模は約1200億円減少し、2兆4125億円に。スポーツ関連メディア(書籍や雑誌、CD・DVD、放送、ネット配信、ゲームソフトなど)市場は前年比6.1%減の1971億円。2016年はリオオリンピックで日本人選手の活躍が注目されたが、スポーツ関連の支出拡大には至っていないことが分かった。
スポーツ参加市場の内訳をみると、スタジアム観戦市場は4751億円、用品購入市場は8518億円、施設利用・会費市場は1兆857億円。昨年につづいて用品購入市場は拡大したものの、スタジアム観戦や施設利用・会費では減少傾向がみられた。スタジアム観戦者一人当たりの年間支出額は2万9471円で9.1%減。観戦時のグッズ費用は1.1%増の年間3101円だったものの、交通費は11.5%減の6900円。チケット代は10.3%減の1万1011円、飲食費も6.0%減で6248円。記念品などへの出費も15.7%減に縮小した。平均観戦回数は3.5回だった。
スポーツメディア関連支出のうち、もっとも減少率が大きかったのは「スポーツ関連の有料放送」で、前年比34.5%減。特に女性は「スポーツ関連CD、DVD」が46.9%減、「インターネット有料配信」が46.2%減と大幅低下がみられた。
なお、「最も好きなスポーツ」を尋ねたところ、人気1位は野球(1.9ポイント減の14.9%)。次いでサッカー(2.3ポイント増の10.8%)、テニス(0.5ポイント増の5.8%)。「今後やりたいスポーツ」は、1位がウォーキング(0.9ポイント減の22.2%)。2位がヨガ・気功・太極拳(0.5ポイント増の14.1%)、3位は水泳(0.2ポイント減の11.0%)だったという。
この調査は、15歳から69歳までの男女各1000名を対象に実施したもの。調査期間は2016年9月16日から19日まで。今回の結果は速報値として発表されたもので、今後修正される場合がある。調査結果をとりまとめた詳細レポートは2016年11月に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが提供予定。