日本生産性本部はこのほど、2017年8月に発行する「レジャー白書2017」の概要を明らかにした。それによると、2016年度の余暇市場は前年比2.0%減の70兆9940億円だった。
部門別では、観光・行楽部門はほぼ横ばい(前年比0.3%減)。訪日旅行者の影響で国内観光分野は好調だったが、海外旅行は低調。一方で遊園地やレジャーランドが過去最高となり、会員制リゾートクラブ市場も拡大した。娯楽部門では、突出して規模が大きいパチンコ・パチスロで大きな落ち込みが継続している点が特徴的だ。
余暇市場の推移は以下のとおり。2016年は、昨年比では微減だが、過去20年でみると1996年比較で20兆円低い結果となった。
レジャー人口は国内観光旅行が安定の1位、4位以下には変化が
レジャー人口を分野別にみると、安定的に人気のある項目が上位を占める一方で、日本人の余暇活動に変化が生じている様子が分かる。
余暇活動の参加人口ランキングでは「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」が5330万人となり、規模はやや縮小したものの6年連続で首位に。そのほか、2位「外食(日常的なものは除く)」、3位「ドライブ」が昨年と同じ順位で続いた。
その一方で、人気ランキングをあげた項目では、3位「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」、10位「ウィンドウショッピング(見て歩きなど娯楽としての)」、12位「温浴施設(健康ランド、クアハウス、スーパー銭湯等)」、13位「園芸、庭いじり」、16位「体操(器具を使わないもの)」などが挙げられる。
2016年はリオ五輪があったためにスポーツへの関心が高まったものの、場所や相手を選ばない「ウォーキング」「体操」などが上位に。特に高齢者層(60代~70代)はマイペースでできるこれらのスポーツ種目が上位となった。そのほか、庭や住居周辺での手作業、日帰りなどで楽しめる身近なレジャーなどが人気を集めたようだ。