京都市は、新たに2016年の延べ宿泊客数の推計を行った。それによると、宿泊者全体の平均宿泊日数は1.52泊となり、観光庁が発表している都道府県別の全国平均1.32泊を上回り、東京都の1.49泊(全国2位)も超える結果となった。この推計は、これまでの実宿泊客数に加えて、平均宿泊日数や京都市内における宿泊の「量」の把握を行うために行ったもの。
このうち外国人の平均宿泊日数は1.98泊となり、都道府県別全国平均の1.54泊、東京都の1.94泊を上回った。外国人宿泊客の施設タイプ別の平均宿泊日数は、ホテルが1.79泊、旅館が2.07泊、簡易宿所が3.77泊となり、民泊を含む簡易宿所がホテルや旅館の2倍近くという結果になった。
日本人の平均宿泊日数は1.38泊となり、このうち修学旅行生は1.65泊。具体的には、小学校が1.10泊、中学校が1.72泊、高校が1.93泊。
延べ宿泊客数は以下のとおり。
総収容人数に対する延べ宿泊者数の割合を示す定員稼働率は78%程度と推計。これは、都道府県別1位の大阪府の72.4%を上回る結果となった。
このほか、京都観光総合調査のデータを基にしたマーケティング分析を実施。日本人観光客については、入洛回数が増えるほど一人旅の割合が高まっていることから、一人旅のコンテンツの開発やクチコミを重視した情報発信が課題とした。また、消費単価の高い日本人観光客は訪問目的が明確で情報収集にも積極的と分析。複数エリアや周辺部へ訪問する旅行者ほど、消費単価が高くなる傾向にあるとしている。さらに、日本人観光客の満足度を向上させていくためには、全体の影響が大きい飲食に加えて、公共交通での改善が求められると分析した。
外国人旅行者については、すでに高い満足度を維持しているが、さらに改善していくためには、市認定通訳ガイドによるツアー造成などの新たな価値の提供、残念な点の詳細な分析によるまだ顕在化していない課題の発掘、新規市場の開拓など、市場の環境を変えるような取り組みが求められると提言している。