東京商工リサーチによると、2017年8月度の旅行業と宿泊業の倒産件数は各5件、計10件となり、前年よりも2件増加となった。負債総額は合計で21億5100万円。
旅行業は前年の2件から3件増加。負債総額も1億2000万円から3億6600万円に増加した。この多くを占めたのが、第1種旅行業登録の旅人舎(東京都)で、負債総額は2億4100万円。それ以外は宮城県、京都府、千葉県、東京都の計4社で、地元顧客向けに国内団体旅行を行なう小規模業者が、売上減少による赤字計上によって支え切れなかったケースが多かった。
宿泊業は前年の6件から1件減少。負債総額は53億7900万円から17億8500万円に大幅に減少した。5件の倒産はいずれも破産で、最も負債総額が多かったのは中堅温泉旅館の喜多八(石川県)。赤字決算が続く中、2016年の北陸新幹線開業の特需でいったんは業績回復が見られたが、再び事業見通しは厳しくなり、継続を断念した。ただし、旅館事業は子会社が地元のコンサルティング会社の傘下として継続している。
その他は三重県、兵庫県、鹿児島県、山口県での発生で、ビジネスホテルやファッションホテルの経営会社。事業規模は小さく、販売不振が原因のケースが目立ったという。