世界の都市ランキング2017、首位ロンドン、東京は3位 - 10年の変遷で「東京の課題と可能性が見えた」

森記念財団都市戦略研究所の「世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index, GPCI)」の2017年の結果で、東京は昨年に引き続き世界3位にランクインした。

同調査は世界の主要44都市を対象に、様々な分野を総合的に評価してランキングしたもの。今年で10回目となる。同研究所ではこの10年の変遷から、「東京の課題と可能性が見えた」としている。

トップ10都市ランキングは以下の通り。

森記念財団:公開資料より

今年は上位2都市のロンドン、ニューヨークと比べて弱かった「交通・アクセス」「文化・交流」で評価を高め、2位ニューヨークとのスコア差を縮めた。1位のロンドンが、2007年~2008年の世界金融危機以降、都市力を落としていたにもかかわらず、2012年のオリンピックを機に回復軌道に乗せ、五輪以降もスコアを伸ばしていることから、東京もロンドンと同じ成長カーブを描くことができれば、ニューヨークを抜いて2位となる可能性も見えてきたという。

トップ4都市の総合スコアの変遷は以下の通り。

森記念財団:報道資料より

東京はトップ2の都市と比較すると、「文化・交流」分野で大きな差がある。それはハイクラスホテル客室数などの「受入環境」や、文化・歴史・伝統への接触機会といった「文化資源」で引き離されているという。

また、「経済」分野の「交通・アクセス」の「国際交通ネットワーク」も、トップ2のレベルに達していない。東京が今後、世界1位になるためには、「経済」と「交通・アクセスの弱みを克服し、「文化・交流」分野を大幅に高める必要があると指摘する。

特に「経済」は1位から4位へとランクを下げた。「GDP成長率」の低さや為替変動(円安)によるものだ。また、「居住」も6位から14位に下げており、「社会の自由度・公平さ・平等さ」、「メンタルヘルス水準」で評価を伸ばせなかったことが理由だ。

一方、5位から4位へとランクを上げた「文化・交流」は「海外からの訪問者数」「美術館・博物館数」などの「集客施設」の増加が理由。11位から6位へと大きく順位を上げた「交通・アクセス」は、昨年までの指標「国際線旅客数」を「国内・国際線旅客数」に変更したことによるスコア増に加え、「国際線直行便就航都市数」や「通勤・通学の利便性」がスコア増に繋がった。

分野別ランキングトップ15は以下の通り。

森記念財団:報道資料より

なお、同調査は44の主要都市を対象に行なわれており、日本からは東京のほか、大阪、福岡も対象となった。大阪は22位から26位へ、福岡は36位から37位と順位を下げた。各都市のランキングは、下記の都市戦略研究所の「世界の都市総合力ランキング(GPCI) 2017」のページへ。


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